『心が叫びたがってるんだ。』
10月9日に観た。
正直に言うと公開前から公開期間中までに繰り返された、いかにも泣かせにきている、あるいは感動の押し売り的な、もしくは男女のカップルで見に来ることを前提としているかのようなコマーシャルの仕方が苦手と言うか少々鼻についたのは事実だったが、内容は至極よかった。
岡田磨里脚本作品だがハートフルボッコな雰囲気は抑制され、しかしベタベタのラブストーリーになることはなく、全体的にどことなく暗い不安定さを感じさせる。そういう独特のドキドキ感があった。
演劇や部活を題材としたアニメの、本番直前になってヒロインが怖気づいているところを男の声によって奮起するという王道の展開を踏む一方で(ごく個人的な事情だがつい最近『CLANAD』と『電波女と青春男』を見ていてどちらの作品にも似たシチュエーションが出てきたのだった)、恋愛ものにおける男側の鈍感さ、優柔不断さが、男女の関係に対してある種のミスリード的な役割を果していて巧み。
個人的には『あの花』より好きかもしれない。
余談だが、黒ストッキングをはいた脚の描写に、他の人体表現に比べてフェチズムを感じたのはおそらく気のせいではないと思うが、どうか。
『屍者の帝国』
10月14日に観た。
この作品に関しては公開前から各所ですでに相当語られている感があるのでいまさら何か書くのも気が引けてしまうのだが、原作『屍者の帝国』を大胆にカット・改変しつつファンの期待を裏切らない造りになっていたと思う。
何よりスチームパンクアニメ映画として傑作の部類に入るだろう。『スチームボーイ』、あるいは『メトロポリス』あたりの作品と並べて見たい。
『リトルウィッチアカデミア / リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』
10月14日に観た。
TRIGGERらしい疾走感ある映像表現がギュッとつまった佳作。
詳しい世界観とかどうなってんだろ? というような疑問を勢いでぶっ飛ばしていく爽快感があるが雑なわけではなく、アナザーストーリーがいくらでも作れそうな印象。
カートゥーンっぽさがやや強めでアメリカの上映で大好評だったというのも納得。
主題歌がけっこう好きだ。
アニメしか見てねえ。