猫は太陽の夢を見るか:番外地

それと同じこと、誰かがTwitterで言ってるの見たよ

最近観た映画 : 『劇場版 探偵オペラ ミルキィホームズ~逆襲のミルキィホームズ~』、『オデッセイ』、『ガールズ&パンツァー 劇場版 4DX』

 

 

『劇場版 探偵オペラ ミルキィホームズ~逆襲のミルキィホームズ~』

激情!ミルキィ大作戦

3月1日に観た。 

物語はミルキィホームズが開幕早々トイズの力を(群馬で)失うところから始まるのだが、その理由が「雷に打たれたから」で何か強大な敵に力を剥奪されたとかではない。

これはTVシリーズの導入部に倣ってあえて劇的で盛り上がるような展開を外しているわけで、そう言う意味でタイトルの「逆襲のミルキィホームズ」がそもそもギャグになっていると解釈できる。

他にも、モリアーティ教授復活の伏線が実は第1期、2期の頃から仕込まれていたというネタやTVシリーズに登場したアイリーンとその父親が本筋にはさほど重要でないにもかかわらずちょくちょく出てくるところ等、かなりTVシリーズの1・2期ファンを意識したつくりになっている。

...なのであるが、TVシリーズを前提とした劇場版にありがちな回想シーンはほとんどなく、それらしいものはTVシリーズの映像がモリアーティ教授復活にともなって生じた時空の歪みのなかで背景で断続的に流れる部分くらいしかない。ある意味で総集編的な劇場版を皮肉るような演出になっているあたりにこの作品の性格がよく表れているともいえようか。

 

 『オデッセイ』

Songs from the Martian

3月14日に観た。

ネット上の評判を原作の情報込みでさんざん目にしたあとでの鑑賞だったが、なるほどダイナミックなアクションシーンだとか何かどんでん返しの劇的な展開だとか感涙必死の大恋愛だとかは一切ない。

淡々とした作業の積み重ねがあるのみである。

しかしその作業のひとつひとつが大掛かりでチートなので、最強主人公が敵を次々と薙ぎ払う場面を連続して見たような爽快感がある。

 

『ガールズ&パンツァー 劇場版 4DX』

ガールズ&パンツァー 劇場版 (特装限定版) [Blu-ray]

3月18日に観た。

作品として見るのは2回目、4DX鑑賞はこれが初。

ガルパンは繰り返し繰り返し劇場に足を運んでいるファンがもはや当たり前のようになっているので感想としては何を言っても今更になるが、あらためて見るとストーリーから戦車の描写、大洗町に関するロケハンや小ネタ、個々のキャラクターの動かし方までかなり行き届いていることが分かる。

通常版における戦車バトルの音響だけでも十分体感的な迫力はあったが、4DX版ではそれに加えて多数の戦車がガタガタ揺れるのが体にじかに伝わってくる。

重要なのは、それがその他多数の戦車群の振動ではなく個々の戦車の中で登場人物たちが感じている振動としてあるという点だろう。臨場感が直接キャラクターへの共感としてつながっているのは4DXならではという感じがした。

好評価に水を差すようでアレなのだが、正直に言うとアニメ等で何かが盛大に破壊されるシーンというのが(これはジブリ映画によくあるようなテーブルの料理がひっくり返るシーンなんかも含まれるのだけれども)、何かとんでもなく取り返しのつかないことをしてしまったあとの背徳感に似た感傷を覚えて個人的にあまり得意ではなかったりする。

ガルパン世界では戦車戦に際して建物等をためらいなくぶっ壊していて、しかもそれがポジティブに受け入れられているあたりに現実の感覚との隔たりを感じずにいはいられない。

独特の世界観によって逆に現実の感覚が鮮明になってくる。こういったところがフィクションの醍醐味だなと思う。本当によくできた作品だ。

普段は映画はなるべく後ろの座席で観るとなんとなく決めているのだが、4DXについて言えば前のほうの席のほうが有利であったといささか後悔。次回からの教訓にしたい。