あやかしそはなにものぞ
「妖」と書いて「あやかし」と読む。
そして「あやかし」とは、「妖怪」と限りなく近い概念でありながら、単純にイコールで結ばれる存在ではないらしい。
しかもその使用されるフィールドはかなり限定されているという。
じゃあその「あやかし」ってなんなの?
あの海の妖怪とは違うの?
とかなんとか今回はそういう話です。
「あやかし」と読まれる/呼ばれるものが、最近一部で急速にジャンルを形成しつつある――というのは、特にマンガや小説の分野に関してしばしばいわれるところですけれども(どこでいわれているのだろうというと筆者の脳内の一角だったりするのですが)、でもだからといって怪異妖怪全般を指して「あやかし」と呼ぶことは、別に昨今の流行に限ったものというわけではなくてですね、というあたりのことはついつい問題がごっちゃになりがちなので留意しておきたいというか自戒したい――、と、そんな感じの問題意識を持っているのですよということを提示して、話を進めさせていただきたいと思います。
参考:
上のTogetterまとめの話がTwitter上であったのは今年2017年の夏のことですけれども、そもそものこの話題の発端として、横浜市歴史博物館の今夏の企画展「丹波コレクションの世界Ⅱ 歴史×妖×芳年 “最後の浮世絵師”が描いた江戸文化」(7/29~8/27)において、展覧会タイトルの中で「妖」に「あやかし」とルビが振られていたということが注目されたということがおそらくあったと思うのですが、しかし「あやかし」という語を用いて妖怪全般を指している展覧会自体は過去にもいくつかあったのです。
ざっと拾うだけでも、以下のものが見つかります。
▼「あやかし」をタイトルに含む展覧会一覧
- 新潟市美術館 森川ユキエ展 妖かしの無言劇場 1999/12/3-2000/1/16
- 山梨県立図書館 資料展示「妖怪万華鏡-あやかしの世界をのぞいてみませんか-」 2003/8/13-11/3
- 板橋区立美術館 江戸文化シリーズ19「妖と艶 -幕末の情念-」 2003/11/29-12/28
- 町立湯河原美術館 妖たちの饗宴~魑魅魍魎の世界~ 田澤茂展 2005/7/21-9/19
- 箕面市立郷土資料館 企画展示「「百器夜行」あやかしになった道具展」 2007/5/11-7/30
- 太田記念美術館 AYAKASHI 江戸の怪し-浮世絵の妖怪・幽霊・妖術使たち- 2007/8/1-8/26
- 福岡アジア美術館 7F企画ギャラリーA室 妖怪展「妖の園(あやかしのその)」 2010/4/29-5/5
- 大阪市立博物館 コレクション展「怪(あやかし)~お化けの世界~」 2010/8/3-9/5
- 桑名市博物館 絆と道の企画展「魂ゆらと妖かし」 2012/5/26-6/24
- 成蹊大学図書館 企画展示『アヤカシノ世界』 2014/11/17-11/28
- 千葉県立中央図書館 企画展示「妖怪発見伝~あやかしの世界へようこそ~」 2014/12/20-2015/2/15
※参考:"近年の妖怪系展覧会リスト(仮) - 猫は太陽の夢を見るか" http://d.hatena.ne.jp/morita11/20120919/1348065741
一覧を数えてみますと、「妖と書いてあやかしと読む語」を展覧会タイトルに冠している事例が過去すでに5例あったことが分かります。
ですからまあ、今夏の横浜市歴史博物館の用法がことさらに特異だとは言えない、と。
展覧会のタイトルに――それもどちらかと言えば趣味色の強い妖怪展のようなものに、あえて一般の人が読めない言葉を持ってくるというのも考えづらいですので、これはタイトルを設定した側が、これを見た大抵の人が「妖=あやかし」と読める、あるいはその解釈をすんなり受け入れられる、という考えを持っていたからこそ、このようになっているのだろうと思われます。そして実際、それで問題はない。
ですが、上記のTogetterまとめでも言及されていますように、「妖」の字で「あやかし」の読み方は、少なくとも現行の辞書には載っていない。
たとえば、手元にある『広辞苑 第六版』を見てみますと、
あやかし ①海上にあらわれる妖怪。あやかり。海幽霊。敷幽霊。謡、船弁慶「このお舟には―が憑いて候」②転じて、怪しいもの。妖怪変化。武家義理物語「物の―かやうの事ぞと皆人にあんどさせて」③あほう。馬鹿者〈日葡〉④コバンザメの異称。この魚が船底に粘着すると船が動かなくなり害をするという。⑤(「怪士」と書く)能面。妖気を表した男面。「鵺 ぬえ」の前ジテ、「船弁慶」の後ジテなどに用いる。また三日月・鷹などの同系の面の総称。
とあります。
「怪士」と書く、とはあっても、「妖」の字を当てるとは説明されていません。
また読みの問題と同時に「あやかし」の持つ意味のことについても少し考えてみますと、過去の辞書的説明の一例として、1937年刊行の『浮世草子名作集』(藤井乙男 著, 評釋江戸文學叢書 第2巻, 大日本雄辨會講談社)の「傾城禁短気」の注釈には、
貧乏神のあやかし あやかしは船幽霊の類をいひ、轉じて一般に亡霊・妖怪をいふ。こゝは乏神の精霊といふ程の意。(猶あやかしは事物の明ならざることをもいひ、又『日葡辞書』には阿房と間抜ともある)
とあります(739頁)。
広辞苑と『浮世草子名作集』の説明は、ほぼ変わっていないように見えます。
まあでもこれだけですと、「あやかし」という言葉が具体的にどういう使われ方をされてきたのか、いまひとつ分かりにくいかもしれません。
ちょっと手っ取り早く共通理解を得るために、過去の文学作品を参照してみたいと思います。
ここでは手近に「青空文庫」を検索して出てきた結果をいくつか引いてみます。
▼青空文庫に見る「あやかし」の用例(抄出)
それでも暗い空はいよいよ落ちかかって来て、なにかの怪異(あやかし)がこの屋形の棟の上に襲って来るかとも怪しまれた。
“岡本綺堂 玉藻の前” http://www.aozora.gr.jp/cards/000082/files/480_39601.html
しかも眼に恨を宿し、何者をか呪ふがごとき、怨靈怪異(あやかし)なんどのたぐひ……。
“岡本綺堂 修禅寺物語” http://www.aozora.gr.jp/cards/000082/files/1312_23045.html
こう云いながら葉之助は、気の毒そうに苦笑したが、「ははあこれも妖怪(あやかし)の業だな。さてどこから手を付けたものか?」
“国枝史郎 八ヶ嶽の魔神” http://www.aozora.gr.jp/cards/000255/files/3041_32480.html
「あまり姫君がお美しいので妖怪(あやかし)が付いたのでござろうよ」
“国枝史郎 善悪両面鼠小僧” http://www.aozora.gr.jp/cards/000255/files/43771_19490.html
行きね妖怪(あやかし)、なれが身も人間道に異ならず、
”上田敏 上田敏訳 海潮音” http://www.aozora.gr.jp/cards/000235/files/2259_34474.html
余吾之介はその魍魎(あやかし)をかきのけるように、思わず二三歩引き退きました。
“野村胡堂 十字架観音” http://www.aozora.gr.jp/cards/001670/files/56105_56984.html
何やら魍魎(あやかし)が、自分の喉首を狙つて居るのを、夢心地に氣が付いたのです。
"野村胡堂 錢形平次捕物控 幻の民五郎” http://www.aozora.gr.jp/cards/001670/files/54628_53179.html
途端に、のしお頭巾の女の魔魅(あやかし)、すばやく姿を消している。
“吉川英治 鳴門秘帖 上方の巻” http://www.aozora.gr.jp/cards/001562/files/52403_50139.html
新九郎は魔魅(あやかし)の声でも聞くように、宙に眼を吊らしてしまった。
“吉川英治 剣難女難” http://www.aozora.gr.jp/cards/001562/files/56151_60109.html
雪のせ笹の金紋が、薄暗いその部屋の隅に、妖魅(あやかし)めいた光を放って――。
“吉川英治 鳴門秘帖 船路の巻” http://www.aozora.gr.jp/cards/001562/files/52406_50143.html
そん時だ、われの、顔は真蒼だ、そういう汝の面は黄色いぜ、と苫の間で、てんでんがいったあ。――あやかし火が通ったよ。
"泉鏡花 海異記" http://www.aozora.gr.jp/cards/000050/files/1178_23555.html
珍しい事も、不思議な事もないけれど、その時のは、はい、嘉吉に取っては、あやかしが着きましたじゃ。
"泉鏡花 草迷宮" http://www.aozora.gr.jp/cards/000050/files/3586_12103.html
実は、此は心すべき事だつた。……船につくあやかしは、魔の影も、鬼火も、燃ゆる燐も、可恐き星の光も、皆、ものの尖端へ来て掛るのが例だと言ふから。
"泉鏡花 光籃" http://www.aozora.gr.jp/cards/000050/files/48404_35157.html
…元年申の七月八日、材木を積済まして、立火の小泊から帆を開いて、順風に沖へ走り出した時、一人、櫓から倒に落ちて死んだのがあつたんです、此があやかしの憑いたはじめなのよ。
"泉鏡花 印度更紗" http://www.aozora.gr.jp/cards/000050/files/48387_35154.html
どうでしょうか。
残念ながら、「妖」と書いて「あやかし」と読ませている例は見られませんでしたが、それでもルビの振り方としてはけっこう自由に行われている感じがあります。
ここだけ見ても、やはり鏡花はかなり好んでこの言葉を使っている印象がありますね。
※※ 追記 2017/11/12 ※※ ↓ ↓ ↓
この記事の主目的はあくまで小説の書籍タイトルの変遷を見ることにあったということもあり、作品本文での用例についてはあまり細かく調べてはいなかったのですが、その後、「妖と書いてあやかしと読む」例をいくつか見つけましたので、以下に追記いたします。
地下の大盲谷、暗黒の二万マイル。その存在は非常に古いころから、想像されもし書かれてもいるが、もしこれが余人の口からでたのだったら、即座に一蹴されたにちがいない。いまは、セルカークも妖(あや)かしに会ったような顔。
“小栗虫太郎 人外魔境 地軸二万哩” http://www.aozora.gr.jp/cards/000125/files/4317_9673.html
あの眼の深い悩み、――声の柔かい魅惑、何も彼もが、一つの妖かしとなって、半十郎の魂を手繰り寄せるのでしょう。赤痣を拭き取った繁代の素顔が、今ではもう、「井上流砲術秘巻」より十倍も大きな魅力となって、グイグイと引寄せます。
“野村胡堂 江戸の火術” http://www.aozora.gr.jp/cards/001670/files/56091_57064.html
たぶん、探すともっとあると思います。
※※ 追記ココマデ ※※ ↑ ↑ ↑
しかし、過去の文学作品の分析はこの記事の目的ではないのです。
ここまではあくまで前提、前置きです。
ジャンルとしての「あやかし」
――で、そういう前提の部分をお話ししたところで冒頭に戻るのですが、上の展覧会の話とはまた別に、ここ数年のフィクションの領域、こと「ライト文芸」「キャラノベ」等の名前で呼称される小説レーベルの作品の中で、いわゆる「あやかし」を題材とした作品がジャンル化しつつある、でもこういうジャンル認識っていつごろから定着しだしたのかイマイチはっきりしないよね、という話があります。
たとえば、富士見L文庫では作品ラインナップのジャンルに「ファンタジー」「ミステリー」「青春/恋愛/お仕事」と並べて「オカルト/あやかし」を掲げています。明確なマーケティングとして「あやかし」をジャンルに持ってきているわけです。
そういったライト文芸の作品群の中では、「あやかし」とは いわば妖怪のことをいうのですが、それはしっかりとキャラクター化された存在として登場する傾向があるように思います。人間の登場人物たちと同等に会話し、生活し、ときに厄介な事件に巻き込まれる――おおよそそういった描かれ方をされているイメージがあります。
でも、いざ作品の中で「あやかし」という語がどのように使われているかというのは、作品によってバラつきがあり、「妖怪」や「幽霊」「怪異」「怪談」等の言葉と比べると客観的な了解があるようにも思われない。だけど、ジャンルとして見ると意味はなんとなく通じる――それってなんでなのか。
また「あやかしもの」ジャンルの形成自体が現在進行中の事象ということもあり、結論がこうだと言い切ってしまうには、まだ時期尚早という感じもします。
「あやかしもの」なるジャンルはいったいどういった具合に成り立っているのか。
調べる方法としてはそれこそ、ひとつひとつの作品を悉皆的に読み込んでいけばまた見えてくるものもあるのかもしれないのですが、個人でジャンルを網羅し分析するにはなかなか力が及ばない。
そこで、インターネット検索で出てくる範囲の情報をいまいちど整理してみようというのが、今回の記事になります。
ようやく本題に入れました。
以下は、タイトルに「あやかし」を含む小説の一覧です。
一覧の作成には国立国会図書館サーチを使用しました。
並びは年順。
タイトルの列記と分析が目的になりますので、シリーズものは省略して載せています。
▼タイトルに「あやかし」を含む小説一覧
- あやかしの夜 エロチック・ファンタジイ
岡田鯱彦 著 あまとりあ社 1958 - あやかし砂絵 なめくじ長屋捕物さわぎ
都筑道夫 著 桃源社 1976 - 妖かし
矢代静一 著 河出書房新社 1978 - あやかし
山田正紀 著 集英社 1981 - 妖かし蔵殺人事件
皆川博子 著 中央公論社 1986 C novels - 妖樹・あやかしのき : 長篇印度怪鬼譚
夢枕獏 著 徳間書店 1987 Tokuma novels - あやかし通信 九夜でおくる怖い話
大迫純一 著 実業之日本社 1991 - 妖かしの館 美族
ひかわ玲子 著 光文社 1993 光文社文庫 - あやかしの笛
黒崎薫 著 桜桃書房 1994 Eclipse romance - 鏡花あやかし秘帖 シリーズ
嶋田純子 / 橘みれい 著 小学館→まんだらけ出版→学研 1996~ 小学館キャンバス文庫 → ライブノベルス → もえぎ文庫 → もえぎDX - あやかしの声
阿刀田高 著 新潮社 1996 - 妖かしの紅い華 新・霊感探偵倶楽部
新田一実 著 講談社 1996 講談社X文庫 White heart - 天魔跳梁 天狗妖草子1
斉城昌美 著 中央公論社 1997 C novels fantasia. - 平成妖かし物語
岳真也 著 KSS出版 1998 - あやかしの幽魔 神霊女学院
立花薫 著 講談社 1998 講談社X文庫 Teen's heart - 妖かしの宴 シリーズ 全3巻
水木しげる, 新津きよみ, 菊地秀行,今野敏[ほか] PHP研究所 1999~2001 PHP文庫 - 妖し陽炎の剣 介錯人・野晒唐十郎 長編時代小説
鳥羽亮 著 祥伝社 1999 祥伝社文庫 ノン・ポシェット - 怪かしの鬼談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ3
岡本綺堂 著 原書房 1999 - あやかし
高橋克彦 著 双葉社 2000 - 妖し小町 シリーズ 全5巻
六道慧 著 光文社 2000~2002 光文社文庫 - 小説王都妖奇譚 シリーズ 全2巻
新生璃人 著, 岩崎陽子 原作 秋田書店 2001~2002 秋田文庫ノベルズ - あやかし法廷
和久峻三 著 勁文社 2001 ケイブンシャ文庫 - あやかしの宴 徳間文庫 問題小説傑作選 8 女流官能篇
徳間文庫編集部 編 徳間書店 2001 - ヴァージン・ブラッディ 妖しの女教師
霜越かほる 著 集英社 2001 集英社スーパーダッシュ文庫 - 江戸妖かし草子
海野弘 著 河出書房新社 2002 - 常世桜 地神盲僧、妖ヲ謡フ
加門七海 著 マガジンハウス 2002 - 晴明ふしぎ草子 妖しの子、黄昏に目覚める
足立和葉 著 小学館 2002 パレット文庫 - あやかし通信『怪』
大迫純一 著 角川春樹事務所 2002 ハルキ・ホラー文庫 - あやかし♡草紙 シリーズ 全3巻
嶋田まな海 著 白泉社 2003~2004 白泉社花丸文庫 - あやかし修学旅行 鵺のなく夜 名探偵夢水清志郎事件ノート
はやみねかおる 作, 村田四郎 絵 講談社 2003 講談社青い鳥文庫 - ダークサイド・エンジェル紅鈴 妖の華
誉田哲也 著 学習研究社 2003 ウルフ・ノベルス - 双霊刀あやかし奇譚 全2巻
甲斐透 著 新書館 2003~2004 新書館ウィングス文庫 Wings novel - 江戸あやかし舟 書き下ろし長編伝奇時代小説
竹河聖 著 双葉社 2004 双葉文庫 - 妖かし斬り 四十郎化け物始末
風野真知雄 著 ベストセラーズ 2005 ベスト時代文庫 - あやかし捜査官ランクラー
庄田雄二 著 新風舎 2005 - あやかしの道標
根本和周 著 文芸社 2005 - 妖かしの庚辰
倉橋紀 著 文芸社 2005 - あやかし肌 長編官能小説
睦月影郎 著 竹書房 2006 竹書房ラブロマン文庫 - あやかし同心 シリーズ 全2巻
加納一朗 著 ワンツーマガジン社 2006~2008 ワンツー時代小説文庫 - あやかし絵巻 長編時代官能小説
睦月影郎 著 祥伝社 2007 祥伝社文庫 - 放課後あやかし姫 全2巻
足塚鰯 著 集英社 2007 コバルト文庫 - 妖かしの蜘蛛 郷四郎無言殺剣
鈴木英治 著 中央公論新社 2007 中公文庫 - 大江戸あやかし草子 全2巻
松岡弘一 著 出版芸術社 2007 - あやかし学園 狐の章
三刀屋嵩 著 徳間書店 2007 Tokuma novels. Edge - 妖姫 藤花奇譚
千葉真由美 著 文芸社 2007 - 鬼姫おぼろ草紙 全4巻(あやかし秘剣, あやかし淫香, あやかし天女, あやかし淫鬼)
睦月影郎 著 コスミック出版 2008 コスミック・時代文庫 - 妖し殺めし幻ノ女 シャドウ・リンカーズ
霧咲遼樹 著, なばほ イラスト 徳間書店 2008 TOKUMA NOVELS - あやかしの鏡 シリーズ 全6巻
香谷美季 作, 友風子 絵 講談社 2008~2011 講談社青い鳥文庫 - 大江戸RPGアヤカシ ログインテーブルトークRPGシリーズ
鈴木銀一郎 原案, 小林正親 作 エンターブレイン 2008 - 浪人左門あやかし指南 全4巻
輪渡颯介 著 講談社 2008~2010 - りん姫あやかし草紙
澤田徳子 作, 新野めぐみ 絵 教育画劇 2008 - 鬼ケ辻にあやかしあり シリーズ 全3巻
廣嶋玲子 作, 二星天 絵 ポプラ社 2008~2009 ポプラポケット文庫 - あやかし探偵団事件ファイル シリーズ 全3巻
藤ダリオ 作, Nino イラスト くもん出版 2009 - アヤカシ森からSOS! あかね・新読み物シリーズ 26
白金ゆみこ 作, 狩野富貴子 絵 あかね書房 2009 - 佐和山物語 あやかし屋敷で婚礼を
九月文 著 角川書店 2009 角川ビーンズ文庫 - あやかしがたり 全4巻
渡航 著 小学館 2009~2010 ガガガ文庫 - あやかし草紙 シリーズ 全3巻
竹河聖 著 角川春樹事務所 2009~2010 ハルキ文庫 時代小説文庫 - あやかし枕 江戸偏愛奇譚
文月芯 著 ミリオン出版 2009 大洋時代文庫 - イタコ千歳のあやかし事件帖 全2巻
堀川アサコ 著 新潮社 2009~2010 - アヤカシノ交渉人
番棚葵 著 朝日新聞出版 2010 朝日ノベルズ - カラクリ荘の異人たち 4 春来るあやかし
霜島ケイ 著 ソフトバンククリエイティブ 2010 GA文庫 - アヤカシ薬局閉店セール
伊藤充子 作, いづのかじ 絵 偕成社 2010 偕成社おはなしポケット - 妖、レンタルします。
日生水貴 著 白泉社 2010 白泉社花丸文庫 - 妖かし恋奇譚 黒龍と堕天使
水戸泉 著 プランタン出版 2010 ティアラ文庫 - あやかし草子 みやこのおはなし
千早茜 著 徳間書店 2011 - 妖かし斬り 四十郎化け物始末 1
風野真知雄 著 角川書店 2011 角川文庫 - あやかし裁き ご隠居同心探索異聞 書下ろし長編時代小説
楠木誠一郎 著 コスミック出版 2011 コスミック・時代文庫 - あやかし江戸物語 全6巻
伊藤たつき 著 角川書店 2011~2012 角川ビーンズ文庫 - あやかしマニアックス! 全5巻
夏希のたね 著 ソフトバンククリエイティブ 2011~2013 GA文庫 - あやかし草子 現代変化物語
那須正幹 作, タカタカヲリ 絵 日本標準 2011 シリーズ本のチカラ - 姫君の妖(あやかし)事件簿 : 裏検非違使庁物語 全4巻
長尾彩子 著 集英社 2011~2012 コバルト文庫 - お江戸あやかし物語 全3巻
水沢いおり 作, 石橋富士子 絵 偕成社 2011~2016 - 雷獣びりびり 大江戸あやかし犯科帳 全3巻
高橋由太 著 徳間書店 2011 徳間文庫 - 写楽あやかし草紙 全2巻
希多美咲 著 集英社 2012 コバルト文庫 - 萬屋あやかし事件帖 シリーズ 全3巻
天堂里砂 著 中央公論新社 2012 C・novels fantasia - 百鬼夜行に花吹雪 夢幻組あやかし始末帖 全3巻
朝松健 著 ベストセラーズ 2012 ベスト時代文庫 - あやかし恋綺譚 あなたをサイヨウ!の巻
佐々木禎子 著 エンターブレイン 2012 B's-LOG文庫 - あやかし緋扇 小説オリジナルストーリー 全3巻
宇津田晴 著,くまがい杏子 原作・イラスト 小学館 2012~2014 FCルルルnovels - 妖かし始末 夜逃げ若殿捕物噺 4
聖龍人 著 二見書房 2012 二見時代小説文庫 - 新月の夢 愛宕山あやかし伝
池端洋介 著 学研パブリッシング 2013 学研M文庫 - 良薬は口に苦し。けれどもあやかし、恋に落ちて。
一恋ちえ 著 新紀元社 2013 Neosbooks Blossomside - あやかし三國志、たたん 唐傘小風の幽霊事件帖
高橋由太 著 幻冬舎 2013 幻冬舎時代小説文庫 - ぼっこれ 大江戸妖かし草紙
岳真也 著 廣済堂出版 2013 廣済堂文庫 モノノケ文庫 - うさぎ姫の薬箱 で、出た~!あやかしだらけのおそろし薬房
長尾彩子 著 集英社 2013 コバルト文庫 - 死美女の誘惑 蓮飯店あやかし事件簿
丸山天寿 著 講談社 2013 講談社ノベルス - 路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店 全3巻
行田尚希 著 アスキー・メディアワークス 2013~2014 メディアワークス文庫 - 小説版 あやかし緋扇 全2巻
宮沢みゆき 著, くまがい杏子 原作・イラスト 小学館 2013 小学館ジュニア文庫 - あやかしちぇんじ! 全2巻
栗栖ティナ 著 オーバーラップ 2013~2014 オーバーラップ文庫 - 明治・妖(あやかし)モダン
畠中恵 著 朝日新聞出版 2013 - あやかしの花 けんか茶屋お蓮
高橋義夫 著 中央公論新社 2013 中公文庫 - あやかし三國志、ぴゅるり 唐傘小風の幽霊事件帖
高橋由太 著 幻冬舎 2013 幻冬舎時代小説文庫 - のっぺら あやかし同心捕物控
霜島ケイ 著 廣済堂出版 2014 廣済堂文庫 モノノケ文庫 - 付添い屋・六平太 書き下ろし長編時代小説 2 虎の巻 あやかし娘
金子成人 著 小学館 2014 小学館文庫 - 妖ノ宴
丸木文華 著 KADOKAWA 2014 角川ルビー文庫 - あやかし姫陰陽師 全3巻
せひらあやみ 著 集英社 2014~2015 コバルト文庫 - 猫乃木さんのあやかし事情 全2巻
望月もらん 著 KADOKAWA 2014~2015 角川ビーンズ文庫 - あかやあかしやあやかしの 影喰い街の神隠し
華南みさき 著, HaccaWorks* 原作 朝日新聞出版 2014 - 安倍晴明あやかし鬼譚
六道慧 著 徳間書店 2014 徳間文庫 - あやかし和メイド
わかつきひかる 著 フランス書院 2014 美少女文庫 - あやかしの里で 長編小説
睦月影郎 著 竹書房 2014 竹書房文庫 - 陰陽師はクリスチャン!? あやかし退治いたします!
夕貴そら 作, 暁かおり 絵 ポプラ社 2014 ポプラポケット文庫 - あやかし飴屋の神隠し
紅玉いづき 著 KADOKAWA 2014 メディアワークス文庫 - アヤカシさん
富安陽子 作, 野見山響子 画 福音館書店 2014 福音館創作童話シリーズ - あやかしの小瓶
松尾清貴 著 小学館 2014 小学館文庫 - 三十郎あやかし破り 全3巻
飯島一次 著 双葉社 2014 双葉文庫 - あやかし秘帖千槍組 全2巻
友野詳 著 廣済堂出版 2014 廣済堂文庫 モノノケ文庫 - 花嫁さまとあやかしの秘めごと 狢爛漫恋吹雪
珠城みう 著 小学館 2014 小学館ルルル文庫 - 山城柚希の妖かし事件簿 全3巻
青谷真未 著 ポプラ社 2014~2015 ポプラ文庫ピュアフル - 遠鳴堂あやかし事件帖 全3巻
椎名蓮月 著 KADOKAWA 2014~2015 富士見L文庫 - 怪(あやかし)ほどき屋 全3巻
南澤径 著 KADOKAWA 2014~2015 角川ホラー文庫 - 「かくりよの宿飯」あやかしお宿 シリーズ 既刊7巻
友麻碧 著 KADOKAWA 2015~ 富士見L文庫 - ゆかし妖し
堀川アサコ 著 新潮社 2015 新潮文庫 nex - あやかしリストランテ 奇妙な客人のためのアラカルト
王谷晶 著 集英社 2015 集英社オレンジ文庫 - 桜守兄弟封印ノート あやかし筋の双子
赤城毅 著 集英社 2015 集英社オレンジ文庫 - あやかし露天商ティキタカ 全2巻
井上樹 著 SBクリエイティブ 2015~2016 GA文庫 - おっかなの晩 船宿若狭屋あやかし話
折口真喜子 著 東京創元社 2015 - あやかし帝の恋絵巻 異世界行ったら二分で寵姫!?
めぐみ和季 著 一迅社 2015 一迅社文庫アイリス - あやかし小町 大江戸怪異事件帳 全4巻
鳴海丈 著 廣済堂出版 2015~2017 廣済堂文庫 特選時代小説 - 神木町あやかし通り天狗工務店
高橋由太 著 幻冬舎 2015 幻冬舎文庫 - あやか師夢介元禄夜話
小沢章友 著 白泉社 2015 白泉社招き猫文庫 - 東亰ですとぴあ 終わらぬ昭和のあやかし奇譚 全2巻
くしまちみなと 著 一二三書房 2015 桜ノ杜ぶんこ - サッカク探偵団 あやかし月夜の宝石どろぼう
藤江じゅん 作, ヨシタケシンスケ 絵 KADOKAWA 2015 - 南都あやかし帖 君よ知るや、ファールスの地
仲町六絵 著 KADOKAWA 2015 メディアワークス文庫 - 鬼憑き姫あやかし奇譚 なまいき陰陽師と紅桜の怪
楠瀬蘭 著 講談社 2015 講談社X文庫 white heart - 九十九さん家のあやかし事情 既刊5巻
椎名蓮月 著 KADOKAWA 2015~2016 富士見L文庫 - 千早あやかし派遣會社 既刊2巻
長尾彩子 著 集英社 2015~2016 集英社オレンジ文庫 - 彩菊あやかし算法帖 既刊2巻
青柳碧人 著 実業之日本社 2015~2017 - あやかし屋台なごみ亭 既刊3巻
篠宮あすか 著 双葉社 2016~ 双葉文庫 - あやかし兄弟と桜の事件簿
妃川螢 著 KADOKAWA 2016 富士見L文庫 - あやかし肌 長編小説
睦月影郎 著 竹書房 2016 竹書房文庫 - あやかし飛燕 文庫書下ろし 長編時代小説 隠目付江戸秘帳
鳥羽亮 著 光文社 2016 光文社文庫 - 妖たちの四季 妖怪の子預かります 3
廣嶋玲子 著 東京創元社 2016 創元推理文庫 - 繰り巫女(ひめ)あやかし夜噺 お憑かれさんです、ごくろうさま
日向夏 著 マイナビ出版 2016 ファン文庫 - あやかし百物語
伊計翼 著 竹書房 2016 竹書房文庫 - 鎌倉不動産のあやかし物件
安東あや 著 KADOKAWA 2016 メディアワークス文庫 - 上倉家のあやかし同居人 見習い鍵守と、ふしぎの蔵のつくも神 既刊2巻
梅谷百 著 KADOKAWA 2016~2017 メディアワークス文庫 - あやかし双子のお医者さん 既刊4巻
椎名蓮月 著 KADOKAWA 2016 富士見L文庫 - あやかし恋古書店 僕はきみに何度でもめぐり逢う
蒼井紬希 著 TOブックス 2016 TO文庫 - あやかしとおばんざい ふたごの京都妖怪ごはん日記 既刊2巻
仲町六絵 著 KADOKAWA 2016~ メディアワークス文庫 - 出雲のあやかしホテルに就職します 既刊3巻
硝子町玻璃 著 双葉社 2016~2017 双葉文庫 - 今日から、あやかし町長です。 既刊2巻
糸森環 著 KADOKAWA 2016~2017 富士見L文庫 - 浅草鬼嫁日記 シリーズ 既刊3巻
友麻碧 著 KADOKAWA 2016~ 富士見L文庫 - あやかし万華鏡 佐香と奇妙なお客たち
花川戸菖蒲 著 KADOKAWA 2016 富士見L文庫 - 妖かしの娘 隠居右善江戸を走る 2
喜安幸夫 著 二見書房 2017 二見時代小説文庫 - 明治あやかし新聞 怠惰な記者の裏稼業 既刊2巻
さとみ桜 著 KADOKAWA 2017 メディアワークス文庫 - 最近はあやかしだって高校に行くんです。 普通ですが何か?
流星香 著 KADOKAWA 2017 ビーズログ文庫アリス - 寺嫁さんのおもてなし 和カフェであやかし癒やします
華藤えれな 著 KADOKAWA 2017 富士見L文庫 - アヤカシ絵師の奇妙な日常
相原罫 著 KADOKAWA 2017 メディアワークス文庫 - 鳩子さんとあやかし暮らし
野梨原花南 著 KADOKAWA 2017 富士見L文庫 - まぼろしメゾンの大家さん あやかし新生活、始めました。
宮田光 著 KADOKAWA 2017 富士見L文庫 - 妖狐に嫁入り 平安あやかし奇譚
秋山みち花 著 KADOKAWA 2017 角川ルビー文庫 - あやかし艶譚
辻内弥里 著 フロンティアワークス 2017 DARIA BUNKO - 嫁にこい あやかし癒し
真崎ひかる 著 二見書房 2017 CHARADE BUNKO - あやかし会社の社長にされそう。
水沢あきと 著 KADOKAWA 2017 メディアワークス文庫 - あやかし寝具店 あなたの夢解き、致します
空高志 著 三交社 2017 スカイハイ文庫 - スープ屋かまくら来客簿 あやかしに効く春野菜の夕焼け色スープ
和泉桂 著 KADOKAWA 2017 富士見L文庫 - 京都あやかし絵師の癒し帖
八谷紬 著 スターツ出版 2017 スターツ出版文庫 - あやかし姫は愛されたい 1
岸根紅華 著 オーバーラップ 2017 オーバーラップ文庫 - あやかし <妖怪>時代小説傑作選
宮部みゆき, 畠中恵 ,木内昇, 小松エメ, 霜島ケイ, 折口真喜子 著 / 細谷正充 編集 PHP研究所 2017 PHP文芸文庫 - 奈良町万葉あやかし茶房
遠藤遼 著 双葉社 2017 - お点前頂戴いたします 泡沫亭あやかし茶の湯
神田夏生 著 KADOKAWA 2017 メディアワークス文庫
以上、162タイトルです。
勢いで書いていますので、多少のぶれや雑さはあると思いますが、まあおおよその数の確認ということでご容赦を。
こうして列記してみますと、かつては時代小説と女性向けライトノベル、児童書が地道に名前を連ねていたのが、2010年代後半に入って一挙にライト文芸がそのほとんどを占めるようになっているのが見て取れるかと思います。
また、ライト文芸、ライトノベルを語るうえで無視できないのがマンガの影響です。
その是非云々については今回はとりあえずおいておきまして、「あやかし」をタイトルに含むコミックスの一覧も抽出してみました。
こちらも小説と同様に主に国立国会図書館サーチで検索をかけ、適宜情報を整理したものです。
小説ほどに数はありませんが、同じく年順に並べています。
▼タイトルに「あやかし」を含むマンガ一覧
- 恋し夢見しあやかしギツネ
西尚美 著 講談社 1979 講談社コミックスフレンド - あやかしの伝説
わたなべまさこ 著 壱番館書房 1982 - あやかしの館 山岸凉子傑作集 1
山岸凉子 著 小学館 1983 フラワーコミックスPS版 - あやかしハンター 全3巻
春日光広 著 集英社 1988~1989 ヤングジャンプ・コミックス・スペシャル - 王都妖奇譚 全12巻
岩崎陽子 著 秋田書店 1991~2002 プリンセス・コミックス - 皇牙&竜牙2 妖の刻
中村地里 著 秋田書店 1996 プリンセス・コミックス - 平成妖物始末人 全4巻
島津和樹 著 冬水社 1997 いち好き・コミックス - あやかしの樹 わたなべまさこ名作集
わたなべまさこ 著, 阿刀田高 原作 ホーム社 1999 - ふしぎ奇かし耳袋 犬木加奈子総プロデュース
犬木加奈子 監修 ケイエスエス 1999 KSS comic - 寄り神の浜 凍牙と木綿の妖紀行
服部あゆみ 著 秋田書店 1999 HORROR COMICS SPECIAL - 妖姫くれない 全2巻
竹内未来 著, 吉村元希 原作 角川書店 1999 あすかコミックス - あやかし歌姫かるた 全2巻
片山愁 漫画,工藤治 原作 角川書店 1999~2000 角川コミックス・エース - 妖 (あやかし) の寄る家 宇河弘樹・短篇集
宇河弘樹 著 少年画報社 2000 YKコミックス - 現世妖見聞録
春日まりおん 著 冬水社 2001 いち好き・コミックス - あやかし天馬 全4巻
柴田亜美 著 集英社 2002~2003 ジャンプ・コミックス - 九十九眠るしずめ 明治あやかし討伐伝 全3巻
高田裕三 著 講談社 2004~2006 ヤンマガKCDX - あやかし堂のホウライ 全3巻
金田達也 著 小学館 2005~2006 少年サンデーコミックス - 幕末平成kid 新撰組妖奇譚
楠桂 著 小学館 2005 てんとう虫コミックススペシャル - 妖かしの密林 高階良子ホラー・ワールド 2
高階良子 著 朝日ソノラマ 2005 ソノラマコミック文庫. - あやかし天然ビーンズ
みなみ佐智 著 白泉社 2007 花とゆめコミックス - 九十九眠るしずめ 明治あやかし討伐伝 明治17年編 全4巻
高田裕三 著 講談社 2007~2009 ヤンマガKCDX - 天保異聞妖奇士 全2巻
會川昇, Bones 原作, 蜷川ヤエコ 漫画 スクウェア・エニックス 2007 ヤングガンガンコミックス - アヤカシ 全2巻
Crossnet/Apricot/「Ayakashi」製作委員会 原作, 金子ツトム 脚本, かのえゆうし 漫画 講談社 2008 マガジンZ KC - 妖かし恋奇譚
かまたきみこ 著 ぶんか社 2009 Bunkasha comics - あやかし恋絵巻 全6巻
新條まゆ 著 集英社 2009~2013 マーガレットコミックス - あやかし男子 ふしぎ幻想アンソロジー
エンターブレイン 2009 ビーズログコミックス - あやかし怪盗
水都あくあ 著 小学館 2010 ちゃおコミックス - 妖の華
北辰堂出版 2010 ほくこみ同人アンソロジー - アヤカシ古譚 1
臣士れい 著 アイプロダクション 2010 ボーイズduoセレクション - あやかし絵巻 百鬼妖怪コミックアンソロジー
晞月杳, 渡辺惣嘉 他共著 ピクト・プレス 2010 ピクト・コミックス - ぬらりひょんの孫キャラクター公式データブック妖(あやかし)秘録
椎橋寛 著 集英社 2010 ジャンプ・コミックス - 哀しき妖の恋
ヒナチなお, 天之ひるめ, 仁, きだち, Ishiko, B型 著 講談社 2010 講談社コミックスB - 石影妖漫画譚 全11巻
河合孝典 著 集英社 2010~2013 ヤングジャンプ・コミックス - あやかし絵巻 昼想夜夢 百鬼妖怪コミックアンソロジー
猫田小次郎 他共著 ピクト・プレス 2010 ピクト・コミックス - お嬢様のあやかし遊戯
梨月詩 著 小学館 2010 フラワーコミックス - あやかし緋扇 全12巻
くまがい杏子 著 小学館 2011~2014 フラワーコミックス - あやかしコンビニエンス 全3巻
ヒライユキオ 著 ホビージャパン 2012~2013 Dangan comics - あかやあかしやあやかしの 全10巻
七生 著, Hacca Works* 原作 KADOKAWA 2012~2017 MFコミックス ジーンシリーズ - あやかし古書庫と少女の魅宝 (タカラ) 全2巻
ドリヤス工場 著 一迅社 2012~2013 Rex comics - 百千さん家のあやかし王子 既刊12巻
硝音あや 著 KADOKAWA 2013~ あすかコミックスDX - 鎌倉ものがたり スペシャルセレクション あやかし萌える ゆく春の事件簿
西岸良平 著 双葉社 2013 Action comics. Coinsアクションオリジナル - 妖絵巻 ぬらりひょんの孫イラスト集
椎橋寛 著 集英社 2013 愛蔵版コミックス - 雷獣びりびり 大江戸あやかし犯科帳 全6巻
高橋由太 原作, 亜沙美 漫画 徳間書店 2013~2015 Ryu comics - うわさの怪談妖(アヤカシ)
魔夜妖一, 幻咲麗, マーク・矢崎治信 監修 成美堂出版 2013 - 鬼眼謎払いあやかしの恋
吉國よし 著 宝島社 2013 Konomanga ga Sugoi! COMICS - あやかし緋扇公式ファンブック 全2巻
くまがい杏子 著 小学館 2013~2014 Sho-Comiフラワーコミックススペシャル - 異次元童話 宇宙皇子(うつのみこ) 地上編3 妖かしの道地獄道
藤川桂介 著 出版ワークス 2014 - まんがグリム童話 妖八犬伝 全3巻
魔木子 著 ぶんか社 2014 - おさきもち 大江戸妖奇譚 全4巻
瀬上あきら 著 竹書房 2014~2015 Bamboo comics - 妖 (あやかし) もののけ事件簿
山本まゆり, まつざきあけみ, 中西ゆか, 榎本由美, 一綺サチア, 彩奈チカ, 三原千恵利 著 実業之日本社 2014 マンサンコミックス - あやかし和菓子屋本舗 全2巻
モリノ 著 KADOKAWA 2015 ビーズログコミックス - あやかしぃのに 全2巻
乃花タツ 著 KADOKAWA 2015 電撃コミックスNEXT - 陰陽師安倍晴明異聞 妖かし恋うた
真崎春望 著 ぶんか社 2015 Bunkasha comics - 妖 (あやかし) 呪いの事件簿
山本まゆり, 三原千恵利, 北川怜子, 瀬口恵子, 黒川晋, 紫垣まゆみ, かずはしとも 著 実業之日本社 2015 マンサンコミックス - 怪談少年 妖の巻
高橋葉介 著 ぶんか社 2015 BUNKASHA COMICS - アヤカシ遣いの嫁さがし
五城タイガ 著 リブレ 2016 ビーボーイコミックスデラックス - あやかしお宿に嫁入りします。 かくりよの宿飯 既刊3巻
衣丘わこ 著, 友麻碧 原作, Laruha キャラクター原案 KADOKAWA 2016~ ビーズログコミックス - あやかしこ 既刊3巻
ヒジキ 著 KADOKAWA 2016~ MFコミックス. アライブシリーズ - 妖の華 全2巻
落合裕介 作画, 誉田哲也 原作 少年画報社 2016 YKコミックス - 妖 (あやかし) 王の花嫁 既刊5巻
柿崎椋 著 冬水社 2016~ いち*ラキ・コミックス - 妖 (あやかし) 怨みの事件簿
山本まゆり, 瀬口恵子, 大竹とも, 中西ゆか, 七色虹子, 黒川晋, 米谷たかね, 白井幸子, 三原千恵利 著 実業之日本社 2016 マンサンコミックス - 鳩子のあやかし郵便屋さん。 既刊1巻
雪子 著 竹書房 2017 Bamboo comics - 美味しい妖 (あやかし) 既刊1巻
おとうさん 著 スクウェア・エニックス 2017 ガンガンコミックスonline - 鬼与力あやかし控
白川晶 原作, フカキショウコ 作画 朝日新聞出版 2017 ASAHIコミックス - 怪ほどき屋 既刊1巻
ときわ銀 著, 南澤径 原作, vient キャラクター原案 KADOKAWA 2017 ビーズログコミックス - あやかし結婚相談所 既刊1巻
宮尾にゅん 著 KADOKAWA 2017 ビーズログコミックス - あやかしパレードゲーム = AYAKASHI PARADE GAME 既刊2巻
霜月かいり 著 KADOKAWA 2017 MFコミックス ジーンシリーズ - 妖 (あやかし) 異界の事件簿
山本まゆり, 瀬口恵子, 榎本由美, 紫垣まゆみ, 日下部拓海, 松原千波, かずはしとも, 阿部ゆたか, 三原千恵利, 井口かのん 著, 説話社 編 実業之日本社 2017 マンサンコミックス - 妖 (あやかし) 凍える恐怖特集
瀬口恵子, 紫垣まゆみ, 三原千恵利, 白井幸子, 日下部拓海, かずはしとも, 山本まゆり 著 実業之日本社 2017 マンサンコミックス
以上、69タイトルになります。
あまり確かなことは言えませんが、少女マンガのタイトルにおいて好んで採用されている印象があります。
もちろん、上に挙げている作品は、あくまでタイトルに「あやかし」を含んでいるものであり、実際に「あやかしもの」とされる作品はもっともっとありますし、タイトルに「あやかし」の語を使用していても、内容がいわゆる「あやかしもの」には当てはまらない作品というのもまた上記のリストにはたくさん並んでいるかと思います。
ですが、今なんとなく成立している「あやかしもの」というジャンルを考えるうえで、そのジャンルが成立するまでに人々が「あやかし」という語にどのようなイメージを抱き、創作に適用してきたかということはささやかながら窺い知ることができるのではないかと思い、この記事を書いている次第です。
ジャンルが成立するにはその前史があるはずだと、そういう話だと解釈していただければと思います。
さて、先ごろ発売された『怪』vol.0051(2017)、特集「アニメと妖怪」の誌面において、「なぜ妖怪は小説、アニメでウケるのか――編集者覆面座談会」という座談会記事が掲載されていました。
その記事によれば、「妖怪」と区別される「妖かし」、キャラクター化された「妖かし」が人気を博すようになったのには、『しゃばけ』と『夏目友人帳』のヒットの影響が大きかっただろうと言及されています。
『しゃばけ』の最初の単行本が発売されたのが2001年。
『夏目友人帳』のコミックス第1巻が発売されたのが2005年。
そこにライト文芸が出てきたことで、一気にジャンルとしての「あやかしもの」が形成されていったと、そういった旨のことが誌面では語られています。
おおよそその通りなのだろうと思います。
また、そこに至るまでには、この記事で述べてきた展覧会や、鏡花を始めとした過去の文学作品や時代小説等が背景としてあったことでしょう。
そうしてこれまで妖怪ジャンルに携わってきた多くの読者や創作者の、こうあってほしい、こうなればいい、こんな感じがいいのじゃないかという積み重ねや切磋琢磨諸々があって、今の「あやかし」イメージも出来上がってきたのだろうと愚考します。
小説やマンガの話の他に、ゲームや舞台や音楽等の近接ジャンルの事情を加味していくことで、今後よりいっそう理解が進んでいくのではないか――と、そのようなことを期待しつつ、今回はここらで締めさせていただこうかと。
だいぶ長くなってしまったわりに大したことを言っていないようにも思いますが……。
それでは。
補足: