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【メモ】民俗学者キャラクターまとめで一年を振り返る2021

 

 

自分用メモ。民俗学者キャラクターでこの一年を振り返るというよくわからない趣旨の記事だが、思いついてしまったのでまとめておこうと思う。

というか、実は前回、前々回の記事から民俗学者キャラクターのリサーチは地味に続けていたのだけれども、どこかでいちど簡単にでもまとめるか、読めるものにしておかないと、自分の中で情報がごちゃごちゃになってわからなくなってしまいそうなので、あくまで自分の備忘録として一覧にしておこうと思った次第。

そういうわけで(どういうわけで?)、今年発表されたマンガ、アニメ、映画、ドラマ、ゲーム、小説のうち、民俗学者キャラクター、あるいは作品内で「民俗学に詳しい」とされる「民俗学者っぽい」キャラクターが出ている作品を中心に、時系列順に以下に一覧化してみた。

 

 

民俗学者キャラクター登場作品一覧2021

1月
6日 [マンガ] 梢子「氷雨降らば恋契り」が『COMICフルール』(KADOKAWA)で連載開始、民俗学を専攻する大学院生が主人公のBLマンガ(→9月単行本発売、全1巻)。
15日 [マンガ]ジェラート『神に愛された花嫁~運命を共にする二人~ 大和編 Vol.0』(SMART GATE Inc.)が配信、離島の村を調査している民俗学の准教授が登場。[小説] 高田崇史『鬼棲む国、出雲 古事記異聞』(講談社文庫)、古河樹『氷室教授のあやかし講義は月夜にて 1』(富士見L文庫)が刊行。
20日 [小説] 相川真『京都伏見は水神さまのいたはるところ 6 綺羅星の恋心と旅立ちの春』(集英社オレンジ文庫)、石川宗生『半分世界』(創元SF文庫)が刊行。
22日 [マンガ] 鷹取ゆう『ただいま収蔵品整理中! 学芸員さんの細かすぎる日常』(河出書房新社)が刊行、主人公の大学時代の同窓で郷土資料館で民俗学を研究する学芸員が登場。(R18)コハル『若旦那は、婚前交渉できません。上 / 下』(ブライト出版)が上下巻同時刊行、大学で助教をしている民俗学研究者の女性が主人公の見合い相手として登場。[小説] 三津田信三『死相学探偵最後の事件』(角川ホラー文庫)が刊行、死相学探偵シリーズ完結。
31日 [マンガ] 蝶野飛沫『雷様と縁結び 3』(69(ロッキュー))が配信開始(電子版のみ)、主人公が民俗学に詳しい青年。

 

2月
3日 [小説]佐崎一路『あたしメリーさん。いま異世界にいるの……。2』(新紀元社)が刊行。
4日 [マンガ]近藤憲一『ダークギャザリング 6』(集英社)が刊行。
5日 [小説] 吉村達也『血洗島の惨劇』(実業之日本社文庫、復刊)が刊行。
10日 [小説] 睦月影郎『キャンパスの聖女』(双葉文庫)が刊行。
16日 [小説] 椎名蓮月『あやかし主従のつれづれな日々 何度でもめぐりあう』(ポルタ文庫)が刊行。
20日 [小説] 蒼空チョコ『おとなりさんの診療所 獣医の祖母と三つの課題』(ことのは文庫)が刊行。
21日 [アニメ] アニメ『怪物事変』(亜細亜堂)第7話「故郷」が放送、狂気の民俗学者蓼丸昭夫(声:石田彰)が登場。
25日 [小説] ほしおさなえ『紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆』(角川文庫)が刊行、民俗学者キャラクターは登場しないが主人公が長野県飯田市に実在する柳田國男館(飯田市美術博物館の付属施設)に行くエピソードがある。

 

3月
5日 [マンガ](R18) 肉そうきゅー。「精ヲ喰ラフ鬼ノ蕾」が『コミックグレープ』Vol.89(GOT)で連載開始(電子版のみ)、民俗学の老教授のもとで不老不死の美女の伝説について研究している青年が主人公。
17日 [マンガ] zinbei 漫画,羽柴実里 原作「酒と鬼は二合まで」が『マンガUP!』(スクウェア・エニックス)で連載開始、第1話冒頭の大学の民俗学の講義の場面でジャージ姿の教員が酒呑童子の話を紹介している(→8月単行本第1巻発売、以下続刊)。[小説] 宮澤伊織『裏世界ピクニック 6 Tは寺生まれのT』(ハヤカワ文庫JA)が刊行、主人公の所属する大学のゼミの教授が民俗学の研究者の中には、民俗学イコール妖怪と結びつけられるのにうんざりして、うちでは妖怪研究はできませんとか言っちゃう人もいるみたいだけど」と語る台詞がある。
19日 [小説] 高田崇史QED 源氏の神霊』(講談社ノベルス)が刊行。
23日 [小説]中村まさみ『学校の怪談5分間の恐怖 理科室から聞こえる』(金の星社)が刊行。
26日 [マンガ] 中島千晴 漫画, 大塚英志 原作『恋する民俗学者 1 柳田國男編』、同『恋する民俗学者 2 田山花袋編』(KADOKAWA)、二巻同時刊行。[ゲーム] 民俗学者がすでに死んでいるインディーズホラーゲーム『真砂楼』(DorsalFin Studio)が配信開始(→Nintendo Switch版が7月8日発売)。

 

4月
1日 [小説] 水城正太郎『異界心理士の正気度と意見 1 いかにして邪神を遠ざけ敬うべきか』(HJ文庫)が刊行。
4日 [マンガ]天野明「鴨乃橋ロンの禁断推理」第18話「夜蛇神様殺人事件①」が『少年ジャンプ+』(集英社)に掲載配信、失踪した民俗学者の兄を探すエピソードで、蛇神伝説を調査している別の民俗学者もゲストで登場。
5日 [マンガ](R18)香吹茂之「女神家の一族」が『COMIC夢幻転生』2021年05月号(ティーアイネット) で連載開始、民俗学を研究している大学院生が探偵役のエロミステリー。
9日 [マンガ]ジェラート『神に愛された花嫁~真実に立ち向かう二人~ 要編 vol.0』(SMART GATE Inc.)が配信、離島の村を調査している民俗学の准教授が登場。[小説] 千冬『百々とお狐の本格巫女修行』(SKYHIGH文庫)が刊行。
14日 [小説] 芦花公園『ほねがらみ』(幻冬舎)、太田忠司『麻倉玲一は信頼できない語り手』(徳間文庫)が刊行。
20日 [小説] 長谷川夕『月の汀に啼く鵺は 巷説山埜風土夜話の相続人』(集英社オレンジ文庫)が刊行。
23日 [小説] 櫛木理宇ホーンテッド・キャンパス 待ちにし主は来ませり』(角川ホラー文庫)、吉村喜彦『炭酸ボーイ』(角川文庫)が刊行。
30日 [マンガ] 吉川景都「こまったやつら」が『ヤングキングアワーズ』2021年6月号(少年画報社)で連載開始、大学の民俗学研究会が舞台の青春劇。第3話(『ヤングキング アワーズ』2021年8月号掲載)からは文化人類学者で民俗学者の廣田龍平氏が学問アドバイザーを務めている。[小説] 丸木文華『フェロモン探偵 花嫁になる』(講談社X文庫)が刊行。

 

5月
6日 [マンガ]吉元ますめくまみこ」第95話が『月刊コミックフラッパー』2021年6月号(KADOKAWA)に掲載、過去エピソードの中で主人公の通う学校の新任教師の大学院時代の専門が民俗学であると思われる描写があり民俗学者らしき大学教授も登場。
7日 [小説] 長崎尚志『キャラクター』(小学館文庫)が刊行、同名映画のノベライズ版だが映画には民俗学者キャラクターは登場せず。
8日  [小説] 波摘 著, noprops,黒田研二 原作『青鬼 調査クラブ 4 怪物たちの島を攻略せよ! 』(PHPジュニアノベル)が刊行。
14日 [小説] 高田崇史『オロチの郷、奥出雲 古事記異聞』(講談社文庫)が刊行。 
20日 [小説] 阿刀田高『怪しくて妖しくて』(集英社文庫)が刊行。
21日 [小説] 芦花公園『異端の祝祭』(角川ホラー文庫)、澤村御影『准教授・高槻彰良の推察 6 鏡がうつす影』(角川文庫)が刊行。

 

6月
2日 [マンガ](R18)つくも号「群れ落ちる白い花」第2話が『Adam』volume.6(ブレインハウス)に掲載配信(電子版のみ)、民俗学者の男と囚われの美少年の因習村BL。
4日 [マンガ]近藤憲一『ダークギャザリング 7』(集英社)が刊行。
7日 [小説] 沖田円『猫に嫁入り 〜忘れじの約束〜』(小学館文庫 キャラブン!)が刊行。
10日 [小説]おおぎやなぎちか『読書の時間 9 ぼくらは森で生まれかわった』(あかね書房)が刊行。
15日 [小説] 北森鴻『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』(講談社文庫)、三津田信三『碆霊の如き祀るもの』(講談社文庫)、内藤了『蠱峯神 よろず建物因縁帳』(講談社タイガ)、刊行。
18日 [マンガ]浅田有皆 漫画, ソニー・インタラクティブエンタテインメント原作, Project SIREN team 監修, 酒井義 脚本『SIREN ReBIRTH 7』(集英社)が刊行配信(電子版のみ)。[映画] 越谷オサムの小説が原作の映画『いとみち』が青森県で先行上映開始(6月25日に全国公開)、豊川悦司が父親の民俗学者を演じる。
22日 [マンガ] 鎌谷悠希「ヒラエスは旅路の果て」第8話が『モーニング・ツー』2021年8号(講談社)に掲載、不死の秘密を聞き出そうとする民俗学者が登場。
23日 [マンガ]吉元ますめくまみこ 16』(KADOKAWA)が刊行。
25日 [マンガ] (R18)ムコQ『ナマズを抱く』(海王社)が刊行配信(電子版のみ)、民俗学を専攻する大学生が主人公。[小説] 水沢あきと『CEO生駒永久の「検索してはいけない」ネット怪異譚 IT社長はデータで怪異の謎を解く』(メディアワークス文庫)が刊行。

 

7月
7日 [マンガ]藤丸豆ノ介 漫画, 友麻碧 原作, あやとき キャラクター原案「浅草鬼嫁日記 あやかし夫婦は君の名前をまだ知らない。」が『ビーズログCHEEK』(Pixiv / KADOKAWA)で連載開始、主人公たちが高校の民俗学研究部に所属。
14日 [小説] 緑川聖司『図書室の怪談 死者の本』(ポプラキミノベル)が刊行。
16日 [マンガ] 室たた「花の婿入り」が『プチコミック』2021年8月号増刊 (小学館)に読切掲載、旧家の娘と民俗学を学ぶ大学院生の恋愛マンガ。[小説] 澤村御影『准教授・高槻彰良の推察EX』(角川文庫)が刊行。
19日 [マンガ]浅田有皆 漫画, ソニー・インタラクティブエンタテインメント原作, Project SIREN team 監修, 酒井義 脚本『SIREN ReBIRTH 8』(集英社)が刊行配信(電子版のみ)、「SIREN ReBIRTH」シリーズが完結。また、日野塔子「人魚の蜜は甘く滴る~あなたの種をください~」第7話が『恋愛宣言』(大都社/秋水社)で掲載配信(電子版のみ)、人魚伝説を調べる民俗学の准教授が登場。
20日 [小説] しほろ丸夏『昼は愛犬、夜は愛人』(ラルーナ文庫オリジナル)が刊行配信(電子版のみ)。
21日 [小説] 石川智健『私はたゆたい、私はしずむ』(中公文庫)、波摘 著, noprops,黒田研二 原作『青鬼 図書館の透明人間』(PHPジュニアノベル)が刊行。
26日 [マンガ] ヨリフジ「キサラギ大学民俗学研究室」が『月刊コミックゼノン』2021年9月号(コアミックス)に読切掲載、大学の民俗学研究室が舞台の妖怪退治ストーリー(なお、作者は大学で民俗学を学んでいたとのこと)。
27日 [マンガ] 相尾灯自 漫画, 澤村御影 原作, 鈴木次郎 キャラクター原案『准教授・高槻彰良の推察 2』(KADOKAWA)が刊行。
29日 [ゲーム]『真 流行り神3』(日本一ソフトウェア)が発売、シリーズ旧作にも登場した民俗学者キャラクターの霧崎水明が登場。[小説] 三津田信三『忌名の如き贄るもの』(講談社)が刊行。
30日 [マンガ](R18) 毒でんぱ『あまとろえっち』(GOT)が刊行、収録作品「りんりんえっち」に民俗学の学会で研究発表をすると意気込む留学生が登場。

 

8月
4日 [マンガ]天野明『鴨乃橋ロンの禁断推理 3』(集英社)が刊行。
6日 [マンガ] zinbei 漫画,羽柴実里 原作『酒と鬼は二合まで 1』(スクウェア・エニックス)が刊行。
7日 [ドラマ] 澤村御影の同名小説が原作のテレビドラマ『准教授・高槻彰良の推察』(東海テレビWOWOW)が放送開始、Season1は8月7日~9月25日、Season2は10月10日~11月28日に放送。民俗学の准教授をHey!Say!JUMPの伊野尾慧が演じる。
12日 [マンガ]河内遙『涙雨とセレナーデ 8』(講談社)が刊行。[小説] 雪村花菜『くらし安心支援室は人材募集中 オーダーメイドのおまじない』(富士見L文庫)が刊行。
15日 [マンガ] (R18)牧原もも「淫獣の巫女~代理巫女を襲う被虐の民間信仰の罠~」が『蜜愛恋獄 Vol.9 ~特集 淫らな罠に堕ちた女たち 蜜愛恋獄特集版』(ユサブル)に掲載配信(電子版のみ)、民俗信仰を研究している大学院生の女性主人公が民俗学者の教授から故郷の村の巫女の代役を頼まれる。
20日 [小説] 紅玉いづき「池袋裏百物語 明烏准教授の都市伝説ゼミ」が『小説現代』2021年9月号(講談社)に掲載(朗読舞台との連動企画)。
24日 [小説] 大島清昭『影踏亭の怪談』(東京創元社)、荻原規子エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』(角川文庫)が刊行。
31日 [小説] 長江俊和『出版禁止 いやしの村滞在記』(新潮社)が刊行。
[ゲーム] また、正確な日時は不明だが、ゲーム『原神』(miHoYo)で8月に発生したクエスト「応答せよ異郷人」に宮島という民俗学者が登場した。

 

9月
5日 [マンガ] GAKU「送り火の島」が『ジャンプルーキー!』(集英社)に掲載配信、大学で民間伝承を研究している男が送り火の風習の調査のために離島を訪れる。
8日 [マンガ] 盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ 18』(秋田書店)が刊行、同巻おまけの人物紹介によりロナルドの妹ヒマリが大学で吸血鬼民俗学を専攻していることが明らかに。
12日 [ゲーム] 『文豪とアルケミスト』(DMM GAMES)に柳田國男(声:小野大輔)と折口信夫(声:興津和幸)が実装されることがゲームTwitter公式アカウトで発表される。のち、9月21日にイベント「調査任務 「遠野物語」ヲ探索セヨ」の累計報酬として柳田國男が、10月1日にイベント「調査任務 「死者の書」ヲ探索セヨ」の累計報酬として折口信夫がそれぞれ実装される。
15日 [小説] 相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』(講談社文庫)、高田崇史『京の怨霊、元出雲 古事記異聞』(講談社文庫)が刊行。
16日 [ドラマ] 茨城県県北地域の地元PR用のウェブドラマ『県北高校フシギ部の事件ノート』(テレビマンユニオン)が配信開始、前編は16日から、後編は22日からそれぞれ配信。高校の部活ドラマで、折口ミコト(演:凛美)、宮本ナミ(演:其原有沙)、柳田(演:新原泰佑)という、それぞれ折口信夫宮本常一柳田国男をモチーフとしたキャラクターが登場。[ゲーム] 『シンスメモリーズ 星天の下で』(MAGES.)が発売、登場人物の一人が日本の民俗学を学ぶために中国から来た留学生。[小説] 井上悠宇『誰も死なないミステリーを君に 眠り姫と五人の容疑者』(ハヤカワ文庫JA)が刊行。
17日 [マンガ] 峰浪りょう『少年のアビス 6』(集英社)が刊行、冒頭に松岡国男「野辺のゆきゝ」の一節が引用されている。また、梢子『氷雨降らば恋契り』(KADOKAWA)が刊行。
18日 [小説] 三津田信三『犯罪乱歩幻想』(角川ホラー文庫)が刊行。
24日 [小説] 小山内慧夢『氷の貴公子なのに過保護すぎです!~ひとりでキャンプしていたら異世界で山の神になってしまった件~』(夢中文庫)が刊行配信(電子版のみ)。
25日 [マンガ]吉川景都「モフモフ残酷民話研究会」が『ヤングキングコミックス』(少年画報社)で連載開始(電子版のみ)、民俗学を学ぶ女子大生が主人公のウェブトゥーン作品(同作者『こまったやつら』のスピンオフ)。

 

10月
4日 [マンガ] 森美夏 漫画, 大塚英志 原作『八雲百怪 5』(KADOKAWA)が刊行、『北神伝綺』『木島日記』に続く民俗学三部作が完結。 
6日 [小説] 三津田信三『白魔の塔』(文春文庫)が刊行。
13日 [マンガ] (R18)あるぷ「魔狂の湯」が『comicアンスリウム』Vol.103 2021年11月号(GOT)に掲載、アニメ化が発表される。民俗学者の青年が主人公の同作者「闇憑村」の続編。
15日 [小説] 古河樹『氷室教授のあやかし講義は月夜にて 2』(富士見L文庫)が刊行。
17日 [ドラマ]『鉄神ガンライザー クロニクル』(テレビ岩手)が放送開始、民俗学を研究する変人大学教授を松尾英太郎が演じる(~12月19日、全10話)。
19日 [小説] 樋口恭介 編『異常論文』(ハヤカワ文庫JA)が刊行。
20日 [マンガ]今市子百鬼夜行抄 29』(朝日新聞出版)が刊行。[小説] 相川真『京都伏見は水神さまのいたはるところ 7 ふたりの新しい季節』(集英社オレンジ文庫)が刊行。
21日 [小説] 越谷オサム『まれびとパレード』(角川文庫)が刊行、民俗学者キャラクターは登場しないが折口信夫「「とこよ」と「まれびと」と」がエピグラフに引用されているほか、妖怪が出てくる物語の舞台が「柳田県河鍋市」となっている。
22日 [マンガ] おかだきりん『進め! オカルト研究部 1』(双葉社)が刊行、作中に登場する日本オカルト研究振興協会会長の名前が「柳目國男」となっている。
29日 [マンガ]月野うた「卒業するまで、君が好き」第5話が『LIQQA』(wwwave comics)で掲載配信(電子版のみ)、主人公が作中作の二時間ドラマ(現代日本で生きる吸血鬼の恋物語)の中に登場する民俗学の大学教授の娘の台詞を読み上げる場面がある。 [小説] 太田忠司『鬼哭洞事件』(東京創元社)が刊行。また、篠田節子『失われた岬』(KADOKAWA)が刊行、民俗学者キャラクターは登場しないが物語の真相に迫る過程で「民俗学者が残したノート」を参照するというホラーゲームのような場面がある。

 

11月
1日 [小説] 茜たま『夜這いを決意した令嬢ですが間違えてライバル侯爵弟のベッドにもぐりこんでしまいました』(一迅社)が刊行、民俗学者キャラクターは出てこないが、登場人物が民俗学のレポートを書く場面があり「夜這い」と「民俗学」のイメージが結びつけられている例として挙げられる。
4日 [マンガ]天野明『鴨乃橋ロンの禁断推理 4』(集英社)、近藤憲一『ダークギャザリング 8』(集英社)が刊行。
9日 [小説] 奥泉光ゆるキャラの恐怖 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活3』(文春文庫)が刊行。
12日 [小説] 村田沙耶香『変半身』(ちくま文庫)、波摘 著, noprops,黒田研二 原作『青鬼 調査クラブ 5 呪いの絵画の謎を解け!』(PHPジュニアノベル)が刊行。
18日 [小説] 高田崇史采女の怨霊 小余綾俊輔の不在講義』(新潮社)が刊行。
20日 [小説] 有栖川有栖『こうして誰もいなくなった』(角川文庫)が刊行。 
22日 [マンガ] 鎌谷悠希『ヒラエスは旅路の果て 2』(講談社)が刊行。
27日 [映画]短編映画『赫丹物語』が天劇キネマトロンアネックスで公開(イベント、映画『突然失礼致します!』特別上映会 in 天劇キネマトロンアネックス(1日目)において上映)、イラストレーターの女性と同棲する民俗学の准教授が登場。

 

12月
3日 [マンガ] 椎名明 漫画, 茜たま 原作「夜這いを決意した令嬢ですが間違えてライバル侯爵弟のベッドにもぐりこんでしまいました」が『ゼロサムオンライン』(一迅社)で連載開始。
9日 [小説] 三津田信三『赫衣の闇』(文藝春秋)が刊行。
15日 [小説] 内藤了『隠温羅 よろず建物因縁帳』(講談社タイガ)が刊行、よろず建物因縁帳シリーズが完結。
19日 [ドラマ] 大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)第40回「栄一、海を越えて」に、渋沢敬三(演:笠松将)が登場。
21日 [小説] 山村正夫湯殿山麓呪い村』(角川文庫、復刊)が刊行。
22日 [小説] 明野照葉『黒白の一族』(光文社)が刊行。
23日 [小説] 萩原麻里『巫女島の殺人 呪殺島秘録』(新潮文庫nex)が刊行。
25日 [小説] 三津田信三「怪民研」が『小説 野性時代』第218号 2022年1月号(KADOKAWA)で連載開始、「怪異民俗学研究室」を舞台とした新シリーズ。
27日 [マンガ] 相尾灯自 漫画, 澤村御影 原作, 鈴木次郎 キャラクター原案『准教授・高槻彰良の推察 3』(KADOKAWA)が刊行。
28日 [マンガ](R18) 浪花道またたび「ハメ嬲り祭の夜」が『ANGEL倶楽部』2022年2月号(エンジェル出版)に掲載、大学で日本の民俗学を専攻している留学生が主人公。

 

 

 

上に並べたのは、あくまで個人的観測範囲の大雑把な把握であり、漏れや誤認もあるかと思うが、だいたいのところでは今年の民俗学者キャラクターを時系列順に概観できるようになっているのではないかと思う。
しかしこうして振り返ってみると、2021年は日本の民俗学者キャラクター史(?)にとって話題の多い年だったような気がする。
まず、しばらく途絶えていた大塚英志原作の中島千晴『恋する民俗学者』が既刊の内容も含めた大判本となって上下巻で完結。また、同じく大塚英志原作の森美夏『八雲百怪』の最終巻が発売、『北神伝綺』『木島日記』に続く民俗学三部作が堂々の完結を果たした。ほかにも、オンラインゲーム『文豪とアルケミスト』に柳田國男折口信夫が登場、またNHK大河ドラマ『青天を衝け』に渋沢敬三が登場するなど、マスの大きい作品のなかで実在の民俗学者を扱った事例が目立った。
また、アニメ『怪物事変』にCV石田彰民俗学者が登場、映画『いとみち』で豊川悦司民俗学者の父親役で出演、澤村御影の小説『准教授・高槻彰良の推察』がWOWOWでドラマ化されるなど、例年になく映像作品に民俗学者キャラクターが頻出した年でもあった。

マンガでは、吉川景都『こまったやつら』の連載が開始されたことが特筆される。同作品では、大学の民俗学研究会を舞台とした、いままでにないリアルな民俗学ストーリーが展開されている。
ほかのマンガ作品では、蝶野飛沫『雷様と縁結び』、ムコQ『ナマズを抱く』、梢子『氷雨降らば恋契り』など、なぜかオカルト系のBLマンガに民俗学者キャラクターがよく登場した。

小説では、北森鴻の旗師・冬狐堂シリーズ、香菜里屋シリーズが昨年に引き続きそれぞれ新装復刊。また、三津田信三の死相学探偵シリーズ、内藤了のよろず建物因縁帳シリーズが完結。死相学探偵はコミカライズも開始し、12月には三津田信三の新シリーズ「怪民研」の連載が『小説 野生時代』で始まった。ほかには、PHPジュニアノベルの「青鬼 調査クラブ」シリーズで、あやしいオカルト民俗学者がレギュラーキャラクターで登場を続けていることも書き加えておきたい。

来年の作品で判明しているところでは、NHKの朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』に戸次重幸が民俗学者役で出演することが判明しているほか、放送延期されたアニメ『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final SEASON-浅き夢の暁-』に、原作ゲーム通りのシナリオであれば物語の真相に民俗学者キャラクターが重要人物としてかかわってくることが予想されている。

 

……昨晩遅くにこの記事を書くことを思い立って、ほぼ半日でまとめたのでだいぶ雑なまとめになってしまった。が、あえてあまり反省はせず、今後はむしろこれくらいのペースで頻繁にブログを更新する方向でいければいいなと思う。

 

 

 

※追記:2021/01/16、以下14点の情報を追記、文章を一部修正しました。

1月20日 [小説] 石川宗生『半分世界』
2月25日 [小説] ほしおさなえ『紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆』
4月23日 [小説] 吉村喜彦『炭酸ボーイ』
7月14日 [小説] 緑川聖司『図書室の怪談 死者の本』
7月21日 [小説] 石川智健『私はたゆたい、私はしずむ』
10月6日 [小説] 三津田信三『白魔の塔』
10月21日 [小説] 越谷オサム『まれびとパレード』
10月22日 [マンガ] おかだきりん『進め! オカルト研究部 1』
10月29日 [小説] 篠田節子『失われた岬』
11月20日 [小説] 有栖川有栖『こうして誰もいなくなった』
12月9日 [小説] 三津田信三『赫衣の闇』
12月21日 [小説] 山村正夫湯殿山麓呪い村』
12月22日 [小説] 明野照葉『黒白の一族』

 

※追記2:2021/01/29、以下5点の情報を追記、文章を一部修正しました。

4月14日 [小説] 太田忠司『麻倉玲一は信頼できない語り手』
5月20日 [小説] 阿刀田高『怪しくて妖しくて』
8月24日 [小説] 荻原規子エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』
11月9日 [小説] 奥泉光ゆるキャラの恐怖 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活3』
12月28日 [マンガ](R18) 浪花道またたび「ハメ嬲り祭の夜」

 

※追記3:2022/05/17、以下30点の情報を追記、文章を一部修正しました。

1月15日 [マンガ]ジェラート『神に愛された花嫁~運命を共にする二人~ 大和編 Vol.0』
1月22日 [マンガ](R18)コハル『若旦那は、婚前交渉できません。上 / 下』
2月3日 [小説]佐崎一路『あたしメリーさん。いま異世界にいるの……。2』
2月4日 [マンガ]近藤憲一『ダークギャザリング 6』
3月23日 [小説]中村まさみ『学校の怪談5分間の恐怖 理科室から聞こえる』
4月4日 [マンガ]天野明「鴨乃橋ロンの禁断推理」第18話
4月5日 [マンガ](R18)香吹茂之「女神家の一族」連載開始
4月9日 [マンガ]ジェラート『神に愛された花嫁~真実に立ち向かう二人~ 要編 vol.0』
5月6日 [マンガ]吉元ますめくまみこ」第95話
6月2日 [マンガ]つくも号「群れ落ちる白い花」第2話
6月4日 [マンガ]近藤憲一『ダークギャザリング 7』
6月10日 [小説]おおぎやなぎちか『読書の時間 9 ぼくらは森で生まれかわった』
6月15日 [小説]ほしおさなえ『菓子屋横丁月光荘 丸窓』
6月18日 [マンガ]浅田有皆 漫画, ソニー・インタラクティブエンタテインメント原作, Project SIREN team 監修, 酒井義 脚本『SIREN ReBIRTH 7』
6月23日 [マンガ]吉元ますめくまみこ 16』
7月7日 [マンガ]藤丸豆ノ介 漫画, 友麻碧 原作, あやとき キャラクター原案「浅草鬼嫁日記 あやかし夫婦は君の名前をまだ知らない。」連載開始
7月19日 [マンガ]浅田有皆 漫画, ソニー・インタラクティブエンタテインメント原作, Project SIREN team 監修, 酒井義 脚本『SIREN ReBIRTH 8』、日野塔子「人魚の蜜は甘く滴る~あなたの種をください~」第7話
7月21日 [小説]波摘 著, noprops,黒田研二 原作『青鬼 図書館の透明人間 』
7月29日 [ゲーム]『真 流行り神3』
8月4日 [マンガ]天野明『鴨乃橋ロンの禁断推理 3』
8月12日 [マンガ]河内遙『涙雨とセレナーデ 8』
9月25日 [マンガ]吉川景都「モフモフ残酷民話研究会」連載開始
10月17日 [ドラマ]『鉄神ガンライザー クロニクル』
10月20日 [マンガ]今市子百鬼夜行抄 29』
10月29日 [マンガ]月野うた「卒業するまで、君が好き」第5話
11月4日 [マンガ]天野明『鴨乃橋ロンの禁断推理 4』、近藤憲一『ダークギャザリング 8』
11月12日 [小説]村田沙耶香『変半身』
11月27日 [映画]短編映画『赫丹物語』