猫は太陽の夢を見るか:番外地

それと同じこと、誰かがTwitterで言ってるの見たよ

最近観た映画 : 『約束の地』、『バケモノの子』

 『約束の地』

約束の地 [DVD]

9月1日に観た。 

パンフレット等には「日本人にとってはまさに“この世の果て”というべき荒々しくも神秘的な絶景をバックに(...)」とあって、たしかにロケ地となっているパタゴニアとアルゼンチンは地理的に日本から最も遠い土地ではあるが、荒涼とした岩盤の続く傾斜地を延々と登り続ける描写は、むしろ欧米のひとびとの想像する“この世の果て”のイメージを強く反映しているように思われた。観るひとに多くの解釈を問いかける作品。

 

『バケモノの子』

バケモノの子 (角川文庫)

 9月11日に観た。

とにかく映像のクオリティが圧倒的。少年が居場所を求めて成長していくさまがひじょうにスピーディーに描かれ息つかせない。登場する「バケモノ」たちがバケモノと言いながら総じて動物モティーフに限定されているのが寓話性を高める(そもそも英字タイトルが"The Boy and The Beast"なのであるから)。ただ、これまでの細田守監督作品に比べて主要ターゲットの年齢層をやや低めに設定しているように感じた(漠然と受けた印象は「どことなく『少年ジャンプ』っぽい」だったりする)。そのせいか(...はわからないが)登場人物たちがいかにも主人公の成長のために配されている感は否めないが、それらを差し引いても今夏アニメ映画のかなりの良作であることは間違いない。これは誰かも言っていた気がするが、リリー・フランキーのやさしく昔話を語りかけてくるような声が存外いい。