前記事の続き。
順番はおおむね放映時期順。
基本的に最終回まで見た作品を取り上げている。
えとたまとパンチラインを見なかったのが今年の心残り。
・『ロボットガールズZプラス』
ギャグの切れのよさは1期のほうがあったように感じる。
キャラクターが増えた分、全体がややおとなしくなった印象。
そこにあることが当然であるかのような存在感はもはや空気の如きである。
・『だんちがい』
面白かったのでもう少し長い尺で見たかった気も。
今年は5分の短編(かそれ以下)の枠が増えた気がする。
・『洲崎西 THE ANIMATION』
なぜアニメ化したのか!? という印象が第一だったが、ネタの作り込みというか全体的クオリティとしてはよく出来ていたのがまた。
・『がっこうぐらし!』
原作未読視聴者に衝撃を与えた第1話はやはりインパクトがあった。
話題性で言えば随一だけども、既存の日常系作品やゾンビ映画を取り込み咀嚼した内容もよかった。
ゾンビパニックものの歴史に刻まれる作品だった。
・『ケイオスドラゴン 赤竜戦役』
方々での評価はいまいちだったようだが、個人的にはわりと好きだった。
主人公がなかなか戦う決意をせずどっちつかずな態度を続けていたのがじれったかったと言われれば事実。
・『ビキニ・ウォリアーズ』
作中で描かれているのは明らかにただのビキニよりも露出が多くただの布に見えるがあくまでビキニアーマーであるのだと言い、そもそもビキニアーマー自体が本来のアーマーの役割を果すものでなく、ビキニとは...アーマーとは...という疑問を突きつけられるがそんなことを考える間もなく4分が過ぎていくハイコンテクストな作品。
・『空戦魔導士候補生の教官』
夏のライトノベル原作枠。
制作会社がディオメディアでかつ監督が『俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している』、『聖剣使いの禁呪詠唱』のひとというのだから期待せずにはいられないし実際期待通りのアトモスフィアが体験できた。
アニオリ回が原作を補完しつつよくできて面白かった稀有な例。
室内でごろごろしてるシーンが多いのにのもかかわらず動画工房制作らしくよく動いていて、そういったそれぞれのキャラが動いているシーンこそが魅力だった。
OPのインパクトが印象的。
・『乱歩奇譚 Game of Laplace』
後半のメインとなる「怪人二十面相」では大衆における正義や法の裁きの正しさを問うことをテーマとしていたが、同時期に放映されていた『ガッチャマン クラウズ インサイト』に推し負けていた感が否めない。
影男のエピソードはそれなりの猟奇性がありまた救いがなくまた影男自身のキャラも特徴があり、際立ってよかった。
沢城みゆきの好演を楽しむアニメ。
・『WORKING!!!』
安定の第3期。
ここまでぶれずに面白いのも素晴らしい。
1期からずっと続けて見てきていたのでこれまでのストーリーが一気に収束していく最終回はグッとくるものがあった。
「お、普通に強い魔王が妹でもアルバイターでもなく真面目に世界征服活動してる! すごい!」と何か間違った方向に興奮して見ていた。
・『わかば*ガール』
ウルトラスーパーキャッキャウフフアニメ。
・『ミス・モノクローム -The Animation- 2』、『ミス・モノクローム -The Animation- 3』
第1期にあったような不条理系ギャグと比較的まともなストーリーがシャッフルで現れ視聴者を混乱させるがそれが持ち味のアニメだった。
一貫性をつらぬき通しているふうを装うのかと思いきや3期後半になってOPEDを換えてくるという自由さ。
2と3を分ける意味とは。
・『うーさーのその日暮らし 夢幻編』
前シリーズは見てなかった。
ミス・モノクロームがシーズンを重ねるにつれて普通のストーリーアニメ然としてくるのに対して独特な不条理を描き続けた。
・『おくさまが生徒会長!』
おくさま劇場、光であり闇。
ファンタジーRPG的世界観でミステリーをやるという原作の意図をじっくりと昇華していて見応えがあったが、少しじっくりやり過ぎた感もあった。
しかし丁寧にやってくれた分、シーンひとつひとつが見どころのようになっていて重厚さがあった。
アニメはリアルタイムではたいてい1話1回しか見ないのだが、ひさしぶりに1話を2,3回見てしまった作品。
しかし何がそんなに自分の琴線に触れたのか未だによくわからない。
・『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』
次期待機組。
原作は未読だし2クール目の出来を見てみないとなんとも言えないところがあるが、楽しんで見れた。
OPEDが好きだった。
・『Charlotte』
面白く見ていたが、おおかたの評判として後半の急展開が不評だったし、実際急だと感じた。
2クールくらいの余裕が確保されていればまた違ったのかもしれない。
いい意味で大真面目に作られた馬鹿アニメだったが、世情を省みると実はあまり笑っている場合でもないのかもしれない。規制ネタはアニメ映えする。
アンナ会長がはまり役だっただけに訃報がなお惜しまれる。
前作に引き続き「ガッチャマン」をモチーフに、正義とは、そして世間を覆う「空気」やそもそも民主主義とは何かを問うことをメインテーマとしていた。
わりと硬派なテーマをやわらかい絵柄でやっている。
というかデザインが好き。
前シリーズを見ていなかったがニコニコ動画でコメント付きで見ていたこともあり、あまりそのことを妨げには感じなかった。
ノリと勢いでぶっちぎる爽快感がよかった。
・『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ ヘルツ!』
作画がすごいのはさすがのSILVER LINK.。
話がなかなか本題に入らなかったり、第1期から続く謎の10話構成等気になる点はあるはずなのだがそういったことへの不満がほとんど聞こえてこなかったのが一番の謎。
4期もあるそうだが、サファイアの声はどうなるのだろう...。
・『ランス・アンド・マスクス』
「今期のロリコンアニメ」、「どことなく『ハヤテのごとく!』っぽい」、「増殖する謎仮面騎士」、「本当は騎士になんてなりたくないけどみんなを守るためには戦わなければならない...!という主人公の葛藤」、「意外とアクションシーンがよい」...et.評判や見どころはいろいろとあるが、このアニメで何より特異なのは、これといって変身設定があるわけでもないのにとくに説明のないまま視覚的に馬と人間体を行き来する〈白姫〉というキャラクターの存在であろう。ああいう描き方もありなんだなというのはある意味衝撃だった(ただのゴリ押しでは?という声が聞こえなくもないが...)。
・『終物語』
長い会話パートとアクションシーンのメリハリの見せ方はさすがだし、「終」と言いながらなかなか終わらない〈物語シリーズ〉を安心して見続けられる要因でもある。
とくに今回はミステリ仕立ての前半の老倉育編「おうぎフォーミュラ」「そだちリドル」「そだちロスト」と、伝奇アクションを含む後半の忍野忍編「しのぶメイル」とが好対照だった。
「おうぎフォーミュラ」→「そだちリドル」→「そだちロスト」→「しのぶメイル」と進むにつれて次第に物語の舞台が学校の外での出来事に展開していく感じも分かりやすくていい。
分割2クールの前半。
2015年秋アニメのうち〈魔法×学園×日本刀〉の要素を持つライトノベル原作アニメは『学戦都市アスタリスク』、『落第騎士の英雄譚』、『対魔導学園35試験小隊』の3作品があるが、他の2作品ではライトノベルヒロインに鉄板(?)の「ブラコンの妹」が幅を利かせているのに対し、『学戦都市~』では主人公が姉の呪縛の影響下にあることがストーリーの重要なファクターとなっていた。
主人公が学校でハーレムラブコメしているあいだに、裏で実はいろいろな陰謀が渦巻いていていろいろな人物が思わせぶりなことを言っているというのがこの作品の魅力のひとつだと思うのだが、ただ、ハーレムラブコメである以上仕方がないのかもしれないが、どうも主人公のキャラがやや弱い気がした。
個人的には第3話ラストで主人公がヒロインのピンチに駆けつける道中、夕暮の町を背景に走っているシーンが「都市で戦っている」雰囲気が出ていて好き。
「学戦都市」というからには、都市のどのエリアで何が起こっているのかをもっと明示するアニメでもよかったようにも思う。
・『おそ松さん』
「伝説の第1話」などの、ある種「狙い過ぎ」ともいえるマーケティング手法は好みが分かれそうだが、そういった話題性抜きにしても面白い。
振り返ってみると、ヤッターマン、ガッチャマン、おそ松くん、ルパン三世、セーラームーンet...と2015年は過去作に題材を採った新作アニメが多かったが、そのなかでも、原点回帰でもなくまた大胆なアレンジでもなく、明らかに毛色が違うのがわかる。
・『不思議なソメラちゃん』
アニメ化したことで原作よりカオスさが増しているということらしいが、こういうギャグは好きなのでもっとやってほしい。
・『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER
小説『すべてがFになる』と〈四季シリーズ〉を原作とし、両作品が交互に描写される。
本格ミステリ小説を映像化するのは難しいだろうと思ったが、実際見てみると結構場面転換が多い作品だったのだなと気づかされる。
原作の筋をなぞりつつ、変更すべきところは変更し、よりアニメとして映える展開を選択していたと思う。
・『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』
分割2クールの前半。
昭和のアニメ特撮史そのものがメタ的・寓意的に取り込まれている脚本家・會川昇の秘蔵っ子企画(...らしい)。
時系列が幾度も前後する方法も比較的目新しい。
毎回盛り込まれた要素が大量で情報の処理が追いつかなかったがそれが楽しい。
キャラクターデザインのいくつかが氷川へきるだと聞いていまいちピンと来ていなかったのが、人間衛星アースちゃんが出てきて「うわー!キャラクターデザイン:氷川へきるだ!」ってなったよね。
可もなく不可もなく。個人的にコミックメテオにはがんばってほしい。
・『小森さんは断れない!』
尺を長くして最初からラブコメ感を売りに出していく方向でもイけた気がするが、この短さだからこそのこの作品というのもあったのだと思う。
主題歌が好き。
・『VALKYRIE DRIVE -MERMAID-』
ただのおっぱいアニメかと思いきや、過去作品の要素を贅沢に取り込みギミックやアクションシーンのレベルが高かった。でも、おっぱいアニメだ。
・『俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」としてゲッツされた件』
マンガやアニメにはキャラクターのテンプレートとしてしばしば「極端に世間知らずなお嬢様」が出てくることがある。そして、ハーレムラブコメの作劇には複数出てくるヒロインをいかに個性的なキャラクターに描き分けるかがポイントのひとつとなる。
それならいっそ出てくるヒロイン(ほぼ)全員をそういった「世間知らずのお嬢様」にしてしまったらどうなるだろうか? ...という前提の発想からしてじゅうぶんヤバいがこれがアニメになったことでヤバさが加速している。
いかに頭の悪いものを作るかに頭を使ってる感じがよかったが、おそらく原作では描かれていたであろう展開や要素をちょいちょい省略しているようで、そのことでストーリーがよりよくわからない感じになっていたのもまた味があった。
ダンディ坂野があまり躊躇いなく前面に出ているのもカオス感を増している。
・『かみさまみならい ヒミツのここたま』
TVアニメ「かみさまみならい ヒミツのここたま」OP主題歌「ころころここたま!」/ED主題歌「ここんぽいぽいここったま!」
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女児向けアニメだが、ニコニコ動画で配信しているので見ている。
ここたまたちの破天荒な活躍が楽しいが「他のひとに見つかってはいけない」という制約ゆえ主人公が無駄に苦労している気がする。
・『ハッカドール THE あにめ~しょん』
毎回ネタが多すぎてツッコミが追い付かない怪作。
実験的なテーマや30分枠だとやりにくいような挑戦的な回もあって独特。
・『影鰐ーKAGEWANI-』
いつ稗田礼次郎が出てきても驚かないぞという心持で見ていたが、ドキュメント風でもある凝った造りはやはり短編の枠だったから出来たものだろう。
怪物性、「深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」というテーマがよく伝わるラストだった。
1期は淡々としていた印象があったのだが2期になってネタ感というかギャグ要素がだいぶ増したように感じる。
・『ワンパンマン』
ドラゴンボール的な「強い敵を倒すとより強い敵が出てくる」展開や昨今流行りらしい「俺TUEEEE」な作品を踏まえたうえで見るべきアニメといえるのだろうし、作中一強の主人公がヒーローとしてどう戦うのかというテーマを考えるのも楽しいが、アクションシーンの美麗さや漫画原作を意識した絵作りの巧みさだけを見ていても充分に見応えがあった。
・『落第騎士の英雄譚』
ライトノベル原作枠。〈魔法バトル×学園×日本刀〉でかつ学生同士のトーナメント戦がある等の点で『学戦都市アスタリスク』と比べられるが、アクションシーンはこちらがより迫力が感じられた。
説明を排するテンプレ展開やモノクロ演出等によって「自分の過去と向き合い逆境に抗する主人公」というテーマを分かりやすく打ち出すことに成功していた。
・『進撃!巨人中学校』
原作を追っていないのでいまいちネタを理解しきれていない。
これ、リアル中学生のときに見たほうが体感的に面白いやつでは。
・『ゆるゆり さん☆ハイ!』
1期、2期から制作会社が変わって、より原作の設定や雰囲気が重視された。
それによって前期のギャグアニメを押し出した面は後退し、全体的に百合百合しさが増した。
どことなく薄暗い室内描写や高岡を中心としたロケーションのリアルな地方都市の美術に独特の頽廃感が漂う。
・『コメット・ルシファー』
こういう少年少女冒険活劇は好きなのだけれども、登場人物たちの行動原理というかそれぞれの行動の動機づけがいまいちはっきりしてこなかった。主人公の鉱物マニア設定とかもっと活かせたんでないの? とか思うところはある。
最終話が随分駆け足だったのももったいなかった気がする。
ド・モン、「主人公のお父さんポジションで元軍人のカフェのマスター」って要素だけだと『ご注文はうさぎですか??』のチノパパ(タカヒロ)と同じだし、どうして差がついたのか...。
・『対魔導学園35試験小隊』
設定だけを取り出せば、今期の『学戦都市アスタリスク』、『落第騎士の英雄譚』と同じく〈魔法×学園×日本刀〉の要素を合わせ持つライトノベル原作アニメだが、上記2作品がバトルは学生同士のトーナメント試合(そして大抵の場合において専用のスタジアムがある)である一方、『対魔導学園~』では毎回別個の敵との戦いを通して各ヒロインを攻略していくスタイルという点で異なる。どちらかというとダークファンタジーの色が強く、荒廃した市街地の様子など何気に背景美術に力が入っているのもよかった。
・『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』
骨描写の監修がたいへんだろうなと思わせるアニメ。
また、舞台となっている旭川のロケーション取材がかなり綿密に行われている感じがする。
出来過ぎといえるくらいよくまとまっていたし次期をにおわせる終わり方だったが、さて。
・『あにトレ!EX』
『いっしょにとれーにんぐ』とは関係ないらしいが大丈夫なのか。
主題歌が耳に残る。
・『弱酸性ミリオンアーサー』
ライブ感というよりは刹那感がある。元ネタの『拡散性ミリオンアーサー』のほうをほぼ知らないので劇中何が起こっているのかよく把握できないが、元を知っていても多分よくわからない気がする。
今期はラストが尻切れトンボな印象の作品が多々あったように思う。
来期に期待したい。
(ギリギリ年内に間に合った...)。