メモ:『刀剣乱舞』の「付喪神」設定について
2015年1月14日からサービスを開始したDMMゲームスのオンラインゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』。
ゲーム中に登場する「刀剣男士」は「付喪神」であるという設定がされているというので、とりあえずメモ。
ゲーム登録時のOP画面キャプチャ↓
“西暦2205年。歴史の改変を目論む「歴史修正主義者」によって過去への攻撃が始まった。”
ゲーム開始2行でこのインパクト。つかみはばっちりである。
“時の政府は、それを阻止するため「審神者(さにわ)」なる者を各時代へと送り出す。”
23世紀の未来世界設定が語られた直後に登場する「審神者」という古風な言葉。
“審神者(さにわ)なる者とは、眠っている物の想い、心を目覚めさせ、自ら戦う力を与え、振るわせる、技を持つ者。”
審神者、未来政府のエージェントにして時間航行者で超能力者。
“その技によって生み出された付喪神(つくもがみ)「刀剣男士(とうけんだんし)」と共に歴史を守るため、審神者(さにわ)なる者は過去に飛ぶ――。”
すでに前提となる要素が山盛りだが、この記事で注目したい「付喪神」という語はここで登場する。
「審神者(さにわ)」(プレイヤー)によって生み出された“付喪神”=「刀剣男士」という設定。
キャラクターの属性に“付喪神”という具体的な設定をするのは、同じDMMのオンラインゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」 が「艦娘(かんむす)」の出自を曖昧に設定しているのと対照的である。これにより「刀剣男士」には、単に擬人化・萌え擬人化というだけでなく、フィクションにおける妖怪キャラクター、付喪神キャラクターの文脈が生じる。
ここ数年で「付喪神」の通俗的な意味合いは急速に拡大している。とはいえ、『刀剣乱舞』内での「刀剣男士」の描かれ方は、自明の、一般に広く理解される“付喪神”イメージの範囲に収まるかというとそうとも言えない(まあ、人間の形態をとって戦う付喪神キャラクターとして想定される例は、フィクションの領域では、もはやそうめずらしいものではないが)。
OPの文中では「審神者」「歴史修正主義者」「刀剣男士」の語が「」付きになっており、それらがゲーム内の用語であることが示されている。それに対し、“付喪神”についてはとくに説明がなく、自明の語として扱われているようである。
一応、「審神者」についての説明から、「審神者」によって、眠っていた“想い、心を目覚めさせ”られ、“自ら戦う力を与え”られ、かつその力を“振るわ”させられる“物”=「付喪神」と解釈できるが、現時点ではそれ以上のことは読み取れない(...し、ゲームの性格上、今後これ以上の意味が提示される可能性もあまりないような気はする)。