猫は太陽の夢を見るか:番外地

それと同じこと、誰かがTwitterで言ってるの見たよ

最近観た映画 : 『独裁者と小さな孫』、『ガラスの花と壊す世界』、『傷物語Ⅰ 鉄血篇』

『独裁者と小さな孫』


映画『独裁者と小さな孫』予告篇

1月4日に観た。

話の流れは基本的にロードムービー形式であり、個々の場面の画面づくりが美しいのはもちろんなのだけれど、やはり秀逸なのはラスト。

独裁者が復讐の暴力に打ち滅ぼされたのかどうかはぼかされたまま、小さな民主主義のダンスに希望を見いだそうとするところに強いメッセージを感じる。そういう意味ではとても理解のしやすい作品だといえるだろうか。

 

『ガラスの花と壊す世界』 

ガラスの花と壊す世界 Premium Edition [Blu-ray]

 1月11日に観た。

人類滅亡後の世界らしいという設定は事前情報として知っていたのだが(というかその設定に惹かれて観に行ったところもあるのだが)、いざ話が始まってみるとそういった前提となる世界観がなかなか語られない。プログラムの少女たちがどこまで続くかも分からないふわふわとした空間で漂う。

しかし全編を通して見ると織り込まれた設定はむしろ多く、時系列も前後するため咀嚼しきれない部分もあった。

とにかくキラキラした美しい風景が次々移り変わり映像的には飽きさせない。

キャラデザと声優目当てで行っても充分楽しめるしむしろそこがメインだともいえる。

個人的にはとくに、すでに多くのヒット作品に出ている種田梨沙佐倉綾音に比べ相対的にまだ聞き馴染みの少ない花守ゆみりの演技に浸ることができたのはよかった(『ローリング☆ガールズ』好きとしてはなおさら)

オリジナルアニメ映画としては好印象。

 

傷物語Ⅰ 鉄血篇』

傷物語 涜葬版

 1月20日に観た(パンフレットはすでに売り切れだった)

TV版のアニメ〈物語〉シリーズは、その冗長ともいえる長台詞と抽象化されたアクションシーンが特徴のひとつであるといえる。

TV版では番組の尺の関係もあってか、原作の台詞をなるべく詰め込だ結果として登場人物がみな非常に早口になっていたが、いっぽう今回の劇場版ではTV版に対して極端に台詞が少なく言いまわしもゆっくりとしていた。何より阿良々木君のモノローグがほとんどない。

そういった点では西尾維新原作の映像作品の中でも、現状ある側面においてはもっとも「西尾維新らしさ」が抑制された作品ともいえるかもしれない。